体内磁石と方向音痴

よく「方向音痴」と自称される方に会う。
曰く、「地図が分からない」「帰り道が分からない」「自信が無い」
一度間違えると自信を失うものだから臆病なのかもしれない。

地図が分からない
「地図が分からない」について考えよう。
全体的に見て、今、どの辺にいるのか。例えば、市内の地図でいうと右下なのか左上なのか。目的地へはざっくりこの方向という認識が乏しい。一本道を辿ることしか頭にないと一旦迷うと宇宙に投げ出されたような感覚になる。
一筋間違えてもそっちの方角を目指せば元に戻ることがある。大阪市内や京都市内のような碁盤の目のような街では地図は大事だ。
ところで、昔、京都出身、京都在住の人が
「うちの家な〜」といいながら縦横に数本線を引いてから「ここ、蛸薬師」と説明しだしたことに驚いた。そうなのだ。彼らはまず、格子を書くのだ。共通理解が格子なのだ。

学習においても全体の概要がわかっているのと分かっていないのでは、学習の深度が違う。学習者がどの程度の地図が描けているか確認しながら授業を進めなければならない。また、自分の学習している地域情報を知るメタ認知力を養成してあげたい。

帰り道が分からない
「帰り道が分からない」について考えよう。
「帰りは一人で帰って来るのよ」と言われているとき、交差点や目立つ建物が目に入る。そして、大事なことは、行きと帰りで見え方が違う。
大切なことは「振り返って、帰りの景色を目に焼き付けること」
その場そのばで見え方を確認し、現在地を把握する。すると、もし、違う景色が見えたら「違うかも?」と予測できる。
山の中でも、「一度通ったところと違う判断できる力を持つこと。

自分の なりの地図をかけることと振り返られることが大事という話

年齢を重ねる錆びてくる。鉄製品はよく錆びる。体内磁石があった。
「こっち!こっち!」
と、幼い頃吠えていた。
少し大人になると
「こっちは遠回り?近道?」
と気を使って言葉が出なかった。
しかし、今、錆びてしまうと地上に出たとき、地球がグルグル回る。太陽を手がかりに自分の居場所を確認する。

体内磁石
「こっちの方」と漠然と理解する力があった。
レストランで席に案内されたとき、「いつもと同じ方角を向いている」と確信したことがあった。
 最近の研究で、牛は南北方向を向いて、すなわち経線と平行になって排泄するという。うしに備わっているなら私にもあるかもしれない、体内磁石。

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