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CSV経営戦略

【CSV経営戦略とは】

creating shared value  共通価値の創造
社会価値と経済価値の双方を追求

社会的課題にこそ経済的な価値がある
三方良しの良循環型経済を自社の収益に変換する事業モデルを構築する

経済価値と社会価値をいかに両立させるか?
両者をトレードオフせずウィンウィンとしたい
受動的、慈善的なCSRとは違う
(責任から戦略へ)


【CSVを実現する3つのレバー】

(1)次世代の製品・サービスの創造
(2)バリューチェーン全体の生産性の改善
(3)地域生態系の構築

「企業は利益の最大化を超える志の高い目的に導かれる必要があり、すべてのステークホルダーに最適な恩恵を施さなければならない。それが実現して初めて、資本主義は全人類に対し可能な限りの十分な社会的利益を届けることができるのだ」(「世界でいちばん大切にしたい会社」への推薦文)

自分ではなく、他の人のためを思う「利他の心」に基づくソーシャル・ビジネスは新しい資本主義のあり方だと、ユヌス氏は一貫して主張している。貪欲な資本主義の暴走を目の当たりにした私たちの社会には、この新しい資本主義の可能性を受け入れる土壌が育っているように思う。

【ファーストリテイリングのCSV経営】

グラミンユニクロのビジネスの流れ

①現地で売れる価格と品質を現地でマーケティング

②現地の生地工場から安価で高品質な素材を調達

③価格は抑えても品質で妥協しない
 ソーシャル・ビジネスの理念に賛同を得た
 現地の工場で生産、雇用の拡大にも貢献する

④現地スタッフによる店舗運営を展開、
 現地の人材育成へ貢献する 

⑤割高で品質が良く丈夫なことを
 納得してもらい、商品を長く大切に着ることで
 品質の違いを実感してもらう

⑥利益をソーシャル・ビジネスに再投資する
 現地の人々自身がビジネスを発展させることで
 雇用や生活を改善し、
 現地の人が自立への意欲を生み出して行く

①へ循環する

オンラインショップを利用すればいつでもどこでも買えるわけだが、
近くに店があれば、ふと思いついたときや何かの用事のついでに気軽にショッピングができる。
その店があるおかげで街が華やいで、住人も生き生きと暮らしを楽しみ、その結果、
また住みたがる人が増える。そういうコミュニティにとってなくてはならない店になるのが、
ファーストリテイリングのめざすCSVの一つの形だ。

短期価値と長期価値のどちらを重視すべきかで頭を悩ませる経営者も多い。短期価値を重視する経営者はCSRやソーシャル・ビジネスは短期価値には直結しないし、CSVも社会価値が経済価値につながるには、ある程度の時間を要する。長期価値に重きを置いていると株主に解されれば、株価に影響しかねない。
しかし、柳井氏は、短期の積み重ねが長期価値につながるのだから、志が高ければ高いほど、短期でもしっかり収益をあげてビジネスを回していく。だから短期も長期もどちらも、orではなくandだというスタンスだ。


【CSV経営実現の七要件】

①社会課題をどう捉えるか?
②大義はあるか?
③「ならでは」のひねりがあるか?
④儲けの仕組みにどう変換するか?
⑤誰をどう巻き込むか?
⑥いかにスケールするか?
⑦いかに持続的成長を実現するか?

CSVの視点から日本企業の組織を見たとき、欧米企業と比べて決定的に弱いのは経営者のパワーだ。組織にCSVを埋め込むためには経営者のメッセージが欠かせない。何をもって社会に価値を生み、そして利益を追求するのか。社員に対して同じことを何度も繰り返し伝え続けるのは、経営者の重要な仕事である。


【最後に】
すべての人間には利己的な面と、無私で献身的な面がある。私たちは利己的な部分だけに基づいて、ビジネスの世界を作った。無私の部分も市場に持ち込めば、資本主義は完成する


※私が重要と思った部分は以上です。本書と関連すると感じたのは、繁栄のパラドクス(クリステンセン)、企業変革力(コッター)を読み返してみようと思いました。

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