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稲盛和夫の実学 経営と会計

原理原則に則って物事の本質を追求して、人間として何が正しいかで判断する

売上を最大に、経費を最小に

企業の使命は、自由で創意に富んだ活動によって新たな価値を生み出し、人類社会の進歩発展に貢献することである。このような活動の成果として得られる利益を私は「額に汗して得る利益」と呼び、企業が追求するべき真の利益と考えている。

企業の会計にとって自社の採算向上を支えることは、もっとも重大な使命である。
採算を向上させていくためには、売上を増やしていくことはもちろんであるが、それと同時に製品やサービスの付加価値を高めていかなければならない。付加価値を向上させるということは、市場において価値の高いものをより少ない資源でつくり出すということである。また、それは、事業活動により従業員の生活を向上させていくと同時に社会の発展に貢献するための前提条件となるものでもある。

良い採算制度があるから採算が上がるのではなく、現場の人たちが採算を上げようと思うから上がるのである。そのためには経営者自身が、必要なエネルギーを現場の人たちに直接注ぐことが大切となる。私はそれを「魂を注入する」と呼んでいる。

自社が、投資家にとって健全な財務体質を持ち、かつ大切なお金を安心して投資できる将来性のある企業であることをアピールし、自社の価値を正確に理解してもらう、その結果としての自社の評価、さらには株価を高める。それは自社だけでなく、多くの投資家にも多大なメリットをもたらすことになる。そのように考えるなら、投資していただいたお金が経営の中でどのように生かされ、また将来に向けていかに有効に活用されるかを正確に投資家に伝えるIR活動は、企業経営にとりきわめて重要なものになる。

そもそも資本主義社会は、利益を得るためなら何をしてもいい社会ではない。参加者全員が社会的正義を必ず守るという前提に築かれた社会なのであり、厳しいモラルがあってこそ初めて、正常に機能するシステムなのである。

問題は目標値の高い低いではありません。まずは、経営者としてあなたが「こうありたい」と思う数字を持つことです。経営目標とは経営者の意志そのものなのです。そのうえで、決めた目標を社員全員に、「やろう」と思わせるかどうかなのです。

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