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1-8.トップとして何が重要か、と問われれば、 私はためらいなく「思い込み」と答えたい。

1-8.トップとして何が重要か、と問われれば、
私はためらいなく「思い込み」と答えたい。
NEC会長 関本忠弘

 昭和30年頃、日本電気に入社して10年もたたない一介の研究者だった関本は、当時常務の小林宏治から「デジタル通信について研究せよ」とのテーマを与えられる。
 その瞬間、関本は、「デジタル通信は理論的にも優れている。これこそ次代の通信の本命にならねばならない」と直感したという。そう思い込んだのである。
 そして、C&C、つまりコンピュータとコミュニケーションの二つを結び付けるのはこれしかないと確信し、この両分野の技術を研究する。
また、役員になってからは、当時、NTTファミリーの一番弟子といわれ、国内での大規模システムの販売に依存していた官僚的な体制から脱却しなければとの思いから、ファクシミリなどの単品製品にも力を入れる。

 さらに社長就任以降は、「国内市場はいずれ満杯になる、今のうちに海外市場に展開しなければ……」と海外に展開し、同社の輸出額を三倍に増やすなどの実績を上げてきた。
 いま、トップには、需要や技術を予測する先見性、思いを社員に伝え動かすリーダーシップが求められている。
関本にとって、思い込みはそのための動機づけの方法なのである。


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