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4-12. 会社にとって一番大事なのはお客様。二番目に従業員。三番目に株主。

コクド・西武鉄道会長 堤 義明

 これは、会社として一番大事なものは何か、との問いに対する堤の答えである。
 アメリカ流に考えると、株式会社にとって一番大事なのは、株主とされる。これに対し、日本の企業では、独特の終身雇用などの習慣の中で、従業員を大切にし、次に顧客を大切にし、株主は最後…というのが普通であった。最近は株主をもっと重視しようという発想も出てきているが、堤はアメリカの株主偏重主義もおかしいと言う。

 アメリカでは、株主は株を投機の対象として購入し、高い配当を取って、値上がりすれば売ろうとする。会社側も、利益は先行投資に回さず、無理をしてでも株主の配当に回す。だから、優良会社でも、ホテルを売っておいて、家賃を払ってそのホテルを借りる、などという馬鹿なことをしている…と堤は言う。

 堤に言わせると、株主に対する一番のサービスは、会社を潰さないことである。そして、株主に対しては、
「会社の内容は良くしていくから、株は資産と思って持っていてほしい」
と言っている。

 これが、堤流株主対策の基本である。


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