Y8-5. 明治9年からわき続ける水源地
走水神社からさらに進むと、国道16号線は海岸と離れて高台にのぼる。
しばらくの間、下に走水漁港と漁港に渡る伊勢町橋、走水海岸と東京湾を望む絶景が続く。
ここは運が良ければ、富士に沈む夕日が見られるという東京湾眺望のポイントらしい。
この道はしばらくするとすぐに下り、右手に大きな駐車場が見えてくる。
すぐ裏は走水海岸、そして隣は走水水源地管理センターである。
駐車場に給水用の蛇口が設置されており、多くの人がポリタンクやペットボトルなどに水を詰めている。
この水源地は、明治9年にヴェルニーらがここから内径12.5センチ、長さ1メートルの土管をつないで約7キロメートル離れた横須賀製鉄所まで高低差で水を引いた。
この水は、いまでも、横須賀市営水道として、内径25センチの鉄管で毎日2千立方メートルの水が供給されている。
この水源は、関東大震災でも枯れなかったことから、横須賀市の災害時の補給基地になるほどの、折り紙つきの水源地である。
国道を挟んで反対側に旧水源地がある。古いレンガの塀で囲まれた中は見られないが、地下に貯水池がある。壁のレンガは、どういうわけかイギリス積みである。
レンガ塀に、出入り口や窓だったところが長手のレンガでふさがれて、アーチ形の模様がつけられている。色が違うのは、後から新しい煉瓦で塞いだためだ。
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