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どぶ板通り--スカジャン発祥のアメリカン・ストリート

         朝のどぶ板通り。まだ前夜の余韻が残り目覚めていない
■有名人と手形を比べる
クルーズを降りたら、国道16号をまたがる歩道橋を駅の方に戻ろう。
国道から1本裏の路地に入ると、そこが「どぶ板通り」。大滝町までの約300mほどの通りは、異次元のアメリカン・ストリートである。
 
どぶ板通りとは、いかにも裏通りという名前だが、もともとは道の真ん中をどぶ川が流れていて、それを塞ぐために、海軍工廠にお願いして鉄板をもらってふたを被せたのが通りの始まりという。それが間もなく、どぶ板通りと呼ばれるようになったそうだ。
 
第2次大戦後、横須賀基地に寄港する米海軍の兵隊さんを対象にして商いを始めるお店がふえて、「米軍兵士の歓楽街」に成長した。
お店も、米軍兵士に合わせたアメリカ風の構えで、沖縄の北谷(ちゃたん)と同様にアメリカン・ストリートの雰囲気がある。この通りのお店では、国内では珍しく日本円だけでなく、ドルでの支払いがOKというのが特徴だ。
 
昭和30~40年代くらいまで一世を風靡した“スカジャン”の名で知られる、米兵が着るジーンズ地のジャンパーの発祥の地でもある。
 
近年は、日本人客が主流で、通りもきれいに整備され、米軍人を対象にした日本土産を販売する店も少なくなった。
それでも、ミリタリーショップや土産物店、アメリカンバーなどが連なり、特有の雰囲気をかもしている。
 
この通りを楽しむもう一つのポイントは、横須賀になじみの深い著名人の手形レリーフだ。
京急線「汐入駅」から通りに入ると、すぐ左が芸術劇場。その先の交差点に、手形レリーフの所在地を示した案内板がある。
 
猪熊功、高島秀武、渡辺真知子、王貞治、佐々木主浩、宇崎竜童・・・など、横須賀出身者や横須賀芸術劇場出演者など50人ほどの手形のタイルが歩道のあちこちに埋め込まれているので、探して歩くのも楽しい。

手形レリーフの所在地を知らせる案内板
モールに埋められている手形の一部。猪熊功は地元の出身で
五輪柔道の無差別級で日本に金メダルをもたらした地元の英雄だ。

■ボリューム満点・ネイビーバーガー
汐入駅から入ると、手形レリーフの案内板のすぐ右に延命地蔵尊がある。
地域の方のていねいなお世話で、いつもきれいに整備され、ろうそくも灯されているので、ここでお参りしてから通りを歩こう。
 
正面を見ると、すぐ隣にはPOPな飾りが見える。ライブハイス「横須賀かぼちゃ屋」だ。地蔵尊とライブハウスが隣り合わせというものいかにも横須賀らしい。
 
通りの両側には、バーガーショップ、ミリタリーファッションショップ、昔ながらの肖像画店、写真館、バー、日本土産店、カフェ・・・などが並ぶ。朝早くは閉まっているが、昼時になると店を開けるので、お店をえらんで本場のネイビーバーガーや海軍カレーをほおばるのも悪くない。たいていのお店が両方を食べられる。
 
ネイビーバーガーは、レギュラーでパテが220g、ハーフで120gほど、海軍カレーも、牛乳とサラダ付なので、どちらも一食としてボリュームは十分だ。
 
横須賀の3大グルメは、
・ネイビーバーガー
・海軍カレー
・チェリーチーズケーキ

ネイビーバーガー
海軍カレーには海軍の伝統に倣って定番でサラダと牛乳がついてくる。
多くのお店でどちらも食べられるので、シェアし合うのもいいかもしれない。

どぶ板通りは直線の通りで300mほど歩くと大滝町の大通りに出る。大滝町の通りが横須賀のいわばメインストリートである。

どぶ板通りのお店。つくりが独特の雰囲気を出している。

次のコース、日露戦争の旗艦だった記念館「三笠」のある三笠公園に進むには、大滝町を左に曲がって国道16号にでる。

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