見出し画像

横須賀美術館・走水水源地(2)

       走水水源地。水源地につくられた給水装置。水がおいしいと
       評判で、ペットボトルなどに持ち帰る人も多い。

■明治9(1876)年からわき続ける走水水源地
走水神社からさらに進むと、国道16号線は海岸と離れて高台にのぼる。
しばらくの間、下に走水漁港と漁港に渡る伊勢町橋、走水海岸と東京湾を望む絶景が続く。
ここは運が良ければ、富士に沈む夕日が見られるという東京湾眺望のポイントらしい。

走水の高台から走水海岸を見る。目の前に広がる東京湾の光景はすばらしい。
東京湾の光景。海上に浮かぶのは猿島。

この道はしばらくするとすぐに下り、右手に大きな駐車場が見えてくる。
すぐ裏は走水海岸、そして隣は走水水源地管理センターである。
駐車場に給水用の蛇口が設置されており、多くの人がポリタンクやペットボトルなどに水を詰めている。

この水源地は、明治9年にヴェルニーらがここから内径12.5センチ、長さ1メートルの土管をつないで約7キロメートル離れた横須賀製鉄所まで高低差で水を引いた。
 
この水は、いまでも、横須賀市営水道として、内径25センチの鉄管で毎日2千立方メートルの水が供給されている。
 
この水源は、関東大震災でも枯れなかったことから、横須賀市の災害時の補給基地になるほどの、折り紙つきの水源地である。
 
国道を挟んで反対側に旧水源地がある。古いレンガの塀で囲まれた中は見られないが、地下に貯水池がある。壁のレンガは、どういうわけかイギリス積みである。
レンガ塀に、出入り口や窓だったところが長手のレンガでふさがれて、アーチ形の模様がつけられている。色が違うのは、後から新しい煉瓦で塞いだためだ。

国道16号を挟んで水源地の旧貯水池がある。壁は横須賀製鉄所で作ったレンガが積まれている。
手入れがされているにしても、何度かの震災を経てもなおしっかりしていることに驚く。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?