1-9.少数にすれば必然的に精鋭になる。
1-9.少数にすれば必然的に精鋭になる。
来島どっく元会長 坪内寿夫
精鋭が集まるから少数にできる……と普通は考える。しかし、アタマ数が多いうちはいつまでたっても精鋭の集団にはならない。
坪内寿夫は言う。
「わがグループにはエリートなんかいらない。素質的に平凡な人間でも鍛えてゆけば自ずと優秀になる。しかも専門バカではなく、何でもこなせる多能人間をたくさん養成する。一騎当千とはいかないが、一騎当十や、当二十くらいにはなる」
鍛える方法は、「人材を育成するには、信用して大胆に任せることだ」と言う。
坪内の任せ方は半端ではない。
若手が坪内に教えを請うても「自分で考えろ」と突き放す。任せられた人間が懸命にがんばらざるを得ない状況に置くのである。それで達成して初めて実力が飛躍的に伸び、精鋭が育つ。そこであきらめる人間は要らないと言うのである。その結果は、育つ人間だけが自然に残るということになる。
いまなら、ブラック企業と言われかねない。昭和の日本経済が戦後のほぼゼロから立ち上がった戦後の昭和の時代には、こうした発想も必要だったということだろう。
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