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5-11. 最初から大量に作ってはいけない。ムリして売ったりするな。
デサント元会長 石本他家男
こう言ったのは、スポーツ用品メーカー、デサントを創立した石本他家男である。
同社がペンギンマークのゴルフウエアを売り出した時の話である。
石本は、売り出しに当たって、生産量を絞り込む作戦をとった。
「最初から大量に作ってはいけない。」
というのは、それまでのスポーツウエアの販売経験から、市場で商品がダブつくとイメージダウンにつながり、デメリットになると思っていたからである。やや足りないくらいの量にしておけば、消費者は逆に購買意欲をそそられる。
とはいえこの作戦も、商品名が知られ、消費者に飢餓感が生まれるようにならなければ効果はない。そこで、石本がとったのは、生産量を絞り込むと同時に、できるだけ多くの百貨店の店頭にペンギンマークの商品を陳列することであった。そのため、多くの百貨店に口座を開設することに力を注いだのである。
発売当初の成績はあまり芳しくなかった。しかし、百貨店への地道な努力が実を結び始め、ペンギンマークのウエアを着てプレイするゴルファーの姿も目立つようになってきた。
その頃になると石本の作戦が効果を発揮し始めた。
市場に商品が少ないことに小売店や消費者が気づき、商品を求めるようになった。しかし、石本は絞り込みを続けた。その結果はすでにご承知のとおり。ペンギンマークのウエアは、ブランドイメージを保ちながら、ロングセラーのヒット商品に育った。
この石本のケースでもわかるように、ヒット商品やロングセラーは決して自然に生まれるものではない。企業の努力で作られるものなのである。
このことを、本田宗一郎は次のように語っている。
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