060.不定時法に合わせて自動化――和時計の工夫
江戸時代を通じて、農業においても道具や装置は大きく工夫・改善されてきましたが、日本人の機械的な工夫という点でよく語られるのは、からくり人形と和時計づくりの技術です。
とくに和時計は、不定時法というややこしい仕組みの中で工夫された、世界にもまれな道具です。こんな時計を生み出す国、こんな面倒な工夫を実際にやってのける国民は、世界でも希少価値、日本人くらいでしょう。このことだけでも、ものづくりにおける日本人の特殊性が分かるような気がします。
前章の延喜式の項でもご紹介しましたが、不