078.科学先進国は時代とともに変わる
科学技術研究は、過去の積み重ねという基礎の上に成り立ちます。国としてその分野の先端に立つためにはそれなりの土壌と環境が必要です。先進国以外の国で、優秀な科学者がいるからといって、個人としての力はゆるぎないものとしても、それだけでその国の成果として世界のトップに並べるというわけではありません。
たとえば理論物理などの世界では、チームや環境としてではなく、組織的な土台なしでも個人の力で、ある部分突出した研究が可能ですから、1949年に湯川秀樹が中間子の理論でノーベル賞を受賞するよ