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最後の人

独身時代から今まで
おつきあいした人の数はけして多くはない

おつきあいした人と
深く向き合って来たことがなかった

自己肯定感の低かった私は
大切に想う人が
目の前からいなくなるのが怖くて
自分の気持ちを伝える事が中々出来なかった。

あるサイトで彼を見つけ
彼に興味を持ったのは3年以上前のこと。

女遍歴が凄そうなのに
繊細な心を持っていそうな
そして
私の知らない世界を
たくさん知っていそうな人。

何通かメールのやり取りをしたけれど
とてもスマートで
ガツガツしてなくて
私は初めて
自分から抱かれてみたいと思った

たくさん女性を知る彼が
私を相手にするはずがない。
それでも最初で最後になってもいいから
彼に抱かれてみたいと
女の悦びを教えてほしいと
そう思っていた。

初めて声を聞いた日。
その日に彼に会いに行く。

そこそこ長い間
出会い系サイトを利用していたけれど
体の関係を持った人は1人しかいなかった

慎重すぎるほど慎重だった私が
彼の時は何の迷いもなく会いに行ってた。

ワンパターンのセックスしか知らず
フェラチオもぎこちなく
自己肯定感も低い女。

そんな女を
彼は少しずつ変えていってくれた。

気長に1つずつ教えてくれ
経験したことのないセックスで
女としての悦びも教えてくれた。

そして1度も私を否定することなく
居心地よくいさせてくれ
彼のおかげで
自己肯定感も上げることが出来てきた

彼との間での
してみたいこと、嫌なこと
悲しいこと、嬉しいことなど
自分の気持ちを伝えることができる。

苦しかった事も
しっかり向き合ってくれていた。

今年に入り、やっと
執着や嫉妬などを手放すことができて
ただ、本当に彼が愛しくて。

だけど彼は独身。私は既婚。

だから縛っちゃいけないと思ってる。
ただ彼がしあわせな気持ちを感じて
生きてほしい。
その為に
私が邪魔なら喜んで身を引こうと思う。

ねずみ色だった私の人生に
彩りをつけてくれた人だから。

愛しい人に抱きしめられることが
こんなにしあわせなんだと
教えてくれた人だから。

身体も心も
私の全てが彼に感謝しているから。

私に彼以上の人は現れない。

私にとって彼が最後の人。


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