【二人読書会】宮本輝『命の器』
先日、読書会で宮本輝の『命の器』について語り合いました。私たちは本書の中で描かれる人間の本質と成長について深く共感し、子どもに対する思いについても話し合いました。以下は、その読書会の会話をまとめたものです。
師:宮本輝の『命の器』は、本を通じて人間を作り上げることの大切さを教えてくれますね。特に彼の思い出の十冊が印象的です。
弟子:はい、ドストエフスキーの『貧しき人々』、カミュの『異邦人』など、どれも名著ばかりです。まだ、読んだことはないですが。彼がこれらの本から得た人間の苦しみや歓び、世界の風景、心の動き方に深く共感しました。
師:若者についての記述が胸に刺さりますね。彼らはその時楽しければいいものしか求めず、魂や人生の巨大さを伝える小説を読まなくなったと嘆いています。
弟子:そうですね。若者が自分を見つめ、他者の苦しみと同苦することができなくなった現代の状況を憂いています。どんな人と出会うかは、その人の命の器次第という言葉も印象的です。
師:私も同感です。だからこそ、子どもに対しては、ただ健康でいてくれるだけでいいと思うのです。彼らが自分で悪いことをしたと気づいても、それを指摘しない親でありたいですね。
弟子:その寛容さが子どもを救うこともありますね。親が子どもの悪さに対して何も言わないことで、子どもは自分で気づき、反省する機会を得ることができます。そして、その反省を通じて成長するのです。
師:そうですね。子どもを信じて見守ることが、最も大切なことかもしれません。そういえば、稲葉浩二と中田英寿のYouTubeの会話を思い出します。「正しいことは分からないが、楽しいことをすることが必要」と話していました。
弟子:その言葉には深い意味がありますね。楽しむこともまた、命の器を豊かにする一要素なのかもしれません。ハイロウズも「何が正しいか知らない、なにが楽しいか知ってる」という歌詞を「即死」という歌で歌っていました。
師:次回の読書会はカミュの『異邦人』を読みましょう。この作品もまた、人生の本質を考えさせられる名作です。
次回の読書会ではカミュの『異邦人』を取り上げることになりました。次もまた、深い対話が期待されます。
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