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年間最多勝と横綱

場所の中心である貴景勝は6勝目。錦木の体当たりに苦しみながら最後は転がした。しかし押しにキレがなく審判部や理事長の評価もつらいもの。1敗は依然一山本で2敗が動きの良さで勝っている霧島、琴ノ若、熱海富士、美ノ海。豊昇龍は勢いが落ち3敗。

トップの面々を見るとドングリ云々でこのまま続くとは思えない。3敗4敗優勝は普通にあり、平幕優勝もあり得る。そうなると貴景勝にもチャンス。が、そうなった場合どうなるか?

変わって年間最多勝を見ると9日目時点で

霧島・大栄翔 56勝
豊昇龍 55勝
若元春・琴ノ若 52勝

この5者の誰かが最多勝となる。残り6日ということから62勝が最多となる。全勝は難しく現実的には60勝にいくかギリギリ。

ちなみに貴景勝は34勝+6勝で40勝。残り全勝でも46勝である。ある意味この数字で優勝2回は珍しい。休場即番付降下ではない大関の特権も大きいがそれだけ混沌としている角界だ。

今年6場所とも幕内の力士は28人だった。9日目時点でベテランながら飛躍した錦木が45勝である。春場所の10連勝があった翠富士が42勝、剣翔41勝、妙義龍39勝、竜電38勝、佐田の海37勝、高安は休場が2度あって37勝というところ。貴景勝は40勝と年間勝ち越しギリギリの数字。

横綱にはいわゆる二流横綱もいる。横綱で不振だったのは優勝なしの双羽黒、横綱で負け越しの大乃国、若乃花、休場の多かった鶴竜、稀勢の里。昭和では栃ノ海、琴櫻あたり。昇進前6場所はその横綱たちはどうだったか。

栃ノ海 64勝
琴櫻 56勝
双羽黒 69勝
大乃国 68勝
若乃花 66勝
鶴竜 66勝
稀勢の里 74勝

やはり最多勝レベル。昇進後不遇であった栃ノ海でも64勝である。貴景勝が近いうちに昇進となれば一番近いのが琴櫻の例。直近6場所に休場や角番、1桁勝利があり正に14勝の連覇は姥桜の狂い咲きだった。押し相撲というのも共通。

貴景勝は年間勝利で見てもかなり不足である。仮に今場所11勝で来場所12勝前後で昇進としても45勝。如何に昇進論が降って湧いたものか。ほんの数場所前は陥落も予想されていた。

本人は天命を待つの心境で意欲があるようだが、果たして人事を尽くしたといえるか。大関昇進も難しい成績で(私見では大関昇進の条件は緩和してもいいのではないかと愚考)横綱昇進というのは汚点を残すことになる。これは霧島や豊昇龍でも同様。照ノ富士が長期休場で引退近しのなか、横綱を欲しても横砂になっては意味なし。平成4名古屋以来の横綱空位でも構わないだろう。適任者が出るまで待つべきだ。


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