大人になったと感じること
"大人になったと感じる瞬間は?"
テレビなどで時々見かける質問。ベタな回答だと、「コーヒーが飲めるようになった」とかそんなところだろうか。
私は最近、大人になったと感じる瞬間がある。
夜に洗濯物を干しているときだ。
特に、疲れているのに洗濯をしているとき。飲んで帰ってきて眠いのに洗濯をしているときである。
一人暮らしを始めた大学生の頃は、よく疲れてお風呂にも入らずそのまま寝ていた。
洗濯なんて毎日できるはずもない、と思っていた。下着が足りなくなるまで洗濯物を溜めていた。
今は、毎日夜に洗濯をしている。
なぜできるようになったのか。
夜遅くまで起きられるようになったからではない。体力自体は、洗濯を毎日できなかった時よりも衰えている。本当は早く寝たい。
私が毎日洗濯をできるようになったのは、きっと、今より明日のことを優先できるようになったからだと思う。
今この瞬間の楽しみや欲求より、未来の負担を減らすことを優先するようになった。
夜遅くまで起きて遊ぶことを避け、お風呂と洗濯とお皿洗いのタスクをしてから寝るようになったのだ。
洗濯物を干しながら、「大人になったなぁ」と感じるとき、嬉しいと感じると同時に、衝動的に生きていけなくなったような気がして、少し悲しい。
老いているというのは言いすぎかもしれないが、大人に"なってしまった"なぁ。とふと思ってしまうのである。
昔見ていた母の姿と、自分の姿が、少しだけ重なってきた。
「おっぱいのんで ねんねして」と欲求のままに生きていたあの頃にはもう戻れないな。
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