私は天才か、はたまた
いきなり自慢話になるが、私は昔からなんでもできるタイプだった。
勉強も、運動も、音楽も。
幼稚園の時から背が高く、よく喋り、都道府県と県庁所在地を覚え、なわとびもよく跳べた。
小学校、中学校、高校でもそれは変わらず、勉強から学校行事まで、かなり活躍していた。
小学校の頃の友達には、「〇〇(私)は神童だったもんね」と後に言われたほど、学校では目立っていたと思う。
しかし、大学に進学し、社会人になった今、やっと気づいたことがある。
私は天才ではなかった。
いや、天才ではないことにはもう少し早く気づいていたかもしれない。
私は成長するのが早いだけだった。
これである。これに最近ようやく気づいた。
大人になって、出来上がった同い年の人間同士とよくよく見比べてみると、結局みんなと変わらない出来栄えの人間だったことに気づいた。
わかりやすいところで言うと、身長。
私は小学生の時は常にクラスで後ろから2〜3番目の高身長だった。
なので、その頃は自分は大きい大人になるものだとばかり思っていた。
しかし私の身長は小6で止まり、結果的にはごくごく平均的な大きさの大人に仕上がった。
学力も然り。学歴に関しては、成長が早かったというアドバンテージを活かし、良い大学に入れたが、特にそれ以降学力の進歩はなかったように思う。
小学生の頃にたくさん読み書きできた漢字も、今は人並みだし、友達が難しい言葉を使っていて知ったかぶりをしなければいけないこともよくある。
英語も数学も特にできるわけではない、一般的な大人である。
ピアノも幼稚園から高校まで続けていたが、結局ショパンのノクターンぐらいしか弾けないし、(めちゃくちゃ良い曲だけど)
足も速くないし、ボールもちゃんと投げられない。
仕事もきっと人並みである。
こんな大人になるとは思っていなかった。
きっと他の大人より秀でた大人になると思っていたのに。
成長が早いだけやったんかい!
完成系は普通やないかい!
自分で自分の半生にツッコミを入れてみる。
子どものころ期待してくれた家族、友達、色んな大人たちには少し申し訳ないが、「普通の人」に成長できたことをここに報告しておく。
ま、普通がいちばん楽で良いけどね。
普通の人として、これからは頑張っていこうと思う。
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