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佐渡トライアスロン

前日 事前受付


直江津港からカーフェリーに乗り、午前10時に小木港に到着。
とりあえず前日選手受付に向かう。
受付では本人確認を行った後、リストバンドを付けてもらって、計測用のアンクルバンドを受け取る。
日本で1番過酷なトライアスロンだけあってブースの数が多い。色々試飲とかしたけど終わってみるとどれが効いたのかわからない。
ぶらぶらまわって時間は13時。開会式が16時からとのことなのでとりあえず荷物を置くために一度宿へ向かった。

宿泊地 さどライダーハウス

「宿をとらねば」と思ったときにはもう既にほとんどの宿泊施設は予約不可だった。そんな中唯一見つけた宿泊施設が「さどライダーハウス」。
ライダーハウスはチャリ部で北海道に行ったときなど多く利用していてとてもなじみ深い。HP曰くトイレ、シャワーもついていてマットもある。そして値段が1泊2500円。宿泊することだけを考えれば申し分ない環境。
ライダーハウスは納屋を改装したもので階段以外のすべてがオーナーによる手作り。壁塗りや床張りさえもDIYというこだわり。

かなり広くて大人数でも宿泊可能。寝袋を500円でレンタルできる。
家電は一通りそろっている。裏に出るとBBQもできる。

それでもまだ開会式までは時間があるので軽く体を動かす程度にランニングを2㎞ぐらい挟んでシャワーを浴びすぐに開会式へ向かう。

開会式

開会式では前回大会の様子や大会に対する諸注意、佐渡の伝統的な太鼓や踊りが披露された。
また、去年はAタイプ(Swim:4km Bike:190km Run:42km)に出場し、今年はBタイプ(Swim:2km Bike:108km Run:21km)に出場する元競泳選手の松田丈志さんのトークセッションもあった。世界水泳福岡大会の取材や海外取材の仕事を挟みつつの多忙なエントリーとなったようだ。去年の大会のスイムパートは松田選手がぶっちぎっていてさすがオリンピックメダリストという実力を見せつけた。

準備


トランジションエリア、当日着用するもの一式。

スイムパート

  • ウェットスーツ

  • ゴーグル+曇り止め

  • ワセリン

  • タオル(スイムアップ後に体を拭く用)

今回は水温が高いことが予想されウェットスーツを着るか迷ったがクラゲが大量発生しているとのことで水温が何度であっても着ることを決断。首元がこすれるのを防ぐためにワセリンを使用。

バイクパート


ボトルが4本まで装着可能。後ろのボトルゲージにベルトで替えチューブを取り付け。
  • ボトル×4(OS-1+amino vital +パラチノース2袋)

  • トップチューブバッグ(Mag-on×4 koda×4, 絆創膏, ポンプ, タイヤレバー)

  • サングラス, サイクリンググローブ, ヘルメット

  • ビンディングシューズ(ロード用 SHIMANO SH-RP4)

  • サイクリングソックス

  • レースナンバーベルト(Mag-on×2)

ボトルは1本はトランジション時の水分補給用に置いておき、残り3本をバイクにセット、さらにエイドでもらえるボトル(水)を挿してエイドごとに交換してボトル4本で走る戦略を選択。

ランパート

  • サングラス

  • ランニングキャップ

  • ランニングシューズ(HOKA MACH5)

普段の練習ではキャップはかぶらないが長時間のレース、直射日光が想定されるのでかぶった上で氷、水などで冷却しながら走る戦略。

レース当日

午前3時に起床。レースナンバーシールを貼り事前に購入していたおにぎり、弁当などを食べた。腕毛が多いせいでシールがちゃんと貼れなかった。次回は足に貼ろうと反省。
荷物は事前にトランジションバッグにまとめてあったので背負って自転車で会場に向かう、午前4時30分。

午前5時に会場について当日受付に向かう。アンクルバンドとリストバンドを読み取ってもらう。本当にそれだけ。
バイクをセットしてトランジション用のカゴに持って来た諸々の用具を入れる。スイムアップチェック直前にトイレに並び始めるも、トイレは大行列(反省ポイント)。スイムアップの5時30分直前にトイレをすまして急いでウェットスーツを着てスイムアップエリアへ向かう。
佐渡に向けてウェットスーツを着てスイム練をしていた際ところどころ裂けていて補修をしたが無事塞がっていて安心した。
スイムアップを通過するとamino vital のamino Shotの赤と青を一本ずつ配られ、それを飲んだ後、アップ時間ギリギリだったので50mぐらい泳いだ。自分的にはこれで十分。一般人だし。

スイムアップギリギリすぎると笑われた。急いでいるのでまだウェットスーツを着る途中。(後述Nさん撮影)

以下コース図は佐渡国際トライアスロン大会公式HPより抜粋。

スイムパート


1周2kmのコースを2周回で計4km。

その後スタート場所に移動した後、スタート前の挨拶があり、6時ちょうどにスタート。
大男たちが海に向かって走りだし、自分もそれに続く。
今まで出た大会では自分の手くらいしか見えない水質だったが、
佐渡の水はかなり綺麗で、足がつかないくらいの深さになっても海底が見えたくらいだった。問題になっていたクラゲは、集団の後ろくらいを泳いでいたこともあって(効果があるかは不明だが)特に刺されたということもなく、時々一瞬だけほっぺに痛みを感じたくらい。着ていたウェットがフルスーツ(手首足首まである)だったのが一番大きかった
後はもう淡々と泳いでいった。基本的には人が泳いでいるところに着いていってたまに顔を上げてブイを見ながら泳ぐ。復路に入ったところで日が昇ってきて、進行方向に対して逆光になりブイがめちゃくちゃ見にくかったので海中のロープを基準に泳いでいた。
1周目が終わったところでドリンクのエイドがあってこれがとても助かった。そのまま2周目に突入したが集中力はとても落ちていて何度もコースから離れていてかなりタイムロスをした。その結果2周目は1周目よりも2分くらいタイムが落ちた。なんとかスイムパートを終えてウェットを脱ぎながらトランジションエリアに向かう。この時点でボディナンバーは完全に消えていた。

バイクパート


バイクパートは佐渡を1周する190km。ロングライドで膝を痛めがちな自分にとってはとにかく調子に乗らないことが最重要項目。
ボトルを4本させるバイクだが、そのうち1本はエイドごとに交換していくため、最初のエイドまでは3本の状態で走っていく。
平坦で軽く踏んで40km/h出る分には気にしないが苦しいときは32km/hぐらいを下限とみていい塩梅で頑張るように心掛けた。

スイムパートでかなり脱水したようで序盤に結構水分をとって、ボトル4本で足りるのか心配になった。その後エイドでボトルを補給していき、徐々にのどの渇きも落ち着いていった。
30km~50kmぐらいが向かい風が強くなかなかスピードが出なくて苦しんだ。
また、途中Z坂と呼ばれる坂があって直面すると本当に「Z」。

応援は積極的に煽っていきます。これで応援パワー1.5倍。もはや追い風。


個人的に笑顔な時が一番リラックスできてて適度にパワーが出ると思ってる。
笑顔なほど強くなる。さながら太陽の神ニカ。


その後大野亀(岩が亀に見える)を緩やかに登る。ここは草原の中に道が通っていて景色がとっても好きだった。
60kmぐらいのところで「これあと2回やるのか」という気持ちでちょっと憂鬱になる。
バイクもまた淡々と。進行方向も変わって向かい風も追い風に。さながらファンキーモンキーベイビーズだ。
海岸線を軽快に走っていく。100kmくらいからはエイドでコーラをもらいその場で飲み干しボトルキャッチャーに捨てていき、水分と糖分の2重取りしていく。やはりコーラは格別。
その後20kmくらい走ったエイドでトイレ休憩1分くらいの休憩だったがその後の走りが格段に違い明らかに体が休まったの感じた。

ラストの20kmは本当に踏ん張りどころだった。細かいアップダウンがありながらも海岸線で向かい風。ここで終わりでよければ思う存分に踏みたいところだったが、ここまでの150km以上の蓄積とランのことを考えて強く踏むことを諦めて25km/h程度で抑える。

バイクパートは6:13:24 で30km/hぐらい正直6時間を切ってみたかったがしょうがない。

ランパート


ランパートは10.5kmのコースを4周回。ようやく貯めてきたものを全部出し切ることができる(?)。
1周目は適当に走って調子をみてペースを考える戦略。エイドはしっかりとるためにエイドだけ歩いてそれ以外は走ることにした。

とりあえず1周目はエイドで氷をもらいキャップとトライスーツのバックポケットに入れて体を冷やしながら走る。エイドではもちろんコーラを所望。これがとにかくキマる。
走ろうとするよりも体を前に倒して足を出す動作を繰り返すイメージだった。
コースを通してたくさんの島民の人が応援してくれているが、周回コースのラスト2kmくらいは商店街区間で商店街の方が盛り上がる音楽をかけながら必死に応援してくれる超絶温かい区間だった。

1周目を終えてみて「そこそこ動ける」という印象。このペースのまま2周目に突入。
2周目に入ったところでジムのプールで一緒に朝スイムをしているNさん(知り合いを応援するためにきていた)を発見。

Nさん「軽快だね。」

そう、ここまでは本当に軽快だった。
2周目に入ると暑さもあって少しスピードが落ちてきた。疲れもあるためエイドごとに水を3杯くらい頭、体にかぶるようにしていた。そうは言ってもミドルディスタンス(ランパートが20km)は走れるので2周まではギリギリ軽快だった。


なんとかピースをする余裕だけは残してる

3周目のスタートは精神的に一番ツラかった。これをもう1回やるのかという絶望感の大きさ。3周目の後半急激な便意に襲われ必死に我慢してトイレに向かう。ここで約3分の休憩。
再び出走して4周目に突入。

4周目にもなると「ようやく終わる」という気持ちがとても強く希望に満ちた周回だった。
と思ったのも束の間。周回後半、途端に足が動かなくなりエイド以外でも歩き始める。足への命令が拒絶される感じだった。

ゴールできること自体は確信しているが周りの走っている人を見ると悔しくなる。そして応援してくれている人もいる。
応援に背中を押されながらランとウォークを繰り返しながら商店街まで来たところで涙が出そうになった。が、まだ我慢。

ラスト100mはありったけの全力疾走。ゴールした瞬間に感極まってしまった。


走り終えてみて

感想

総じて辛かった。ただ達成感の分中毒性も感じる。そんな大会だった。ツールド北海道のことも考えると、地元の方の理解が凄い。
選手がこの大会を楽しみにしているが、また島民もこの大会を楽しみにしている印象がいろいろなところから感じられる。
多くの人が背中を押してくれる島が1つになる最高の大会だった。

競技面

スイムはもう少し集中力を持って泳げばロスが少なくなったはず。
バイクは概ね良かったがエアロポジションはもっと積極的にとっていくべき。
ランはとにかく暑さとの闘い。正直キャップをかぶって走るのは初めてだったので「熱がこもる」デメリットと「直射日光を避ける」メリットのどっちが大きいか考えた方がいいと思った。
フォームも肩に力が入ったように感じたのでフォーム改善も必要。
11:56:35。総合73位。年代別(18歳-24歳)2位。
次出るなら11:30切り、総合50位は狙ってみたいなぁ。

経済面

大会参加費は40,000円。
基本2泊、最低でも1泊はしないといけないといけない上に1泊1万円以上する宿が多数。予約も熱狂的な人は前年から予約しているみたいなので早めに動くのも必要
フェリーも高額でカーフェリーだと往復で36,000円(軽車両、直江津-小木航路)
新潟-両津航路でも値段は数千円程度しか変わらない。
ハイエースで数人できて運賃を浮かせているようだった。
直江津-小木航路でハイエース(5m以上6m未満)で4人程度だと
大体1人あたり17,000円ぐらい。(2023年9月現在)
ガソリン代や前後の食費などを考えるとエントリーから通じて
10万円程度は必要かと感じた。
1シーズンに何回も大会に出るのは厳しい感じがしたのと、この大会だけに絞って出ている人の気持ちもなんとなくわかる。
正直来年も出てみたい。

陸路ができないかなぁ。


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