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ytv漫才新人賞 ROUND1


はじめに

関西の読売テレビで行われるytv漫才新人賞決定戦のファイナリストを決めるための選考ROUND1回目が、来週9月10日にオンエアされる。そしてROUND1の出場コンビ12組も決定した。そこで今回は12組の中から筆者が個人的に注目している7組をピックアップしようと思う。

1.ドーナツ・ピーナツ

前回はダブルヒガシとの優勝決定戦に惜しくも敗れ、準優勝となったドーナツ・ピーナツ。やはり今大会の優勝本命の筆頭と言ってもいいだろう。ドーナツ・ピーナツは福岡県出身コンビであり、北九州弁を用いたピーナツのクセ強ボケ&ドーナツのキレツッコミが特徴。また、NSCは東京19期を卒業しており、卒業してから大阪吉本に所属するという経歴を持つ。この東京19期はNSC大阪だと36期にあたる。36期の卒業生には前回優勝のダブルヒガシ、前々回優勝のカベポスターがおり、直近の優勝コンビ2組と同期である。そしてカベポスター優勝時の準優勝はダブルヒガシであり、ダブルヒガシ優勝時の準優勝はドーナツ・ピーナツである。つまり直近2大会の優勝決定戦は同期による決戦となっている。この流れで今大会ドーナツ・ピーナツが優勝をすればこれこそ運命的な結末と言っても過言ではない。

2.天才ピアニスト

天才ピアニスト(竹内知咲・ますみ)も、ドーナツ・ピーナツと同じく優勝本命と言ってもいいだろう。昨年はNHK上方漫才コンテスト優勝、ABCお笑いグランプリ決勝、そしてTHE W優勝と破竹の勢いであった彼女たち。そして2023年に入り、上方漫才協会大賞 大賞受賞、ABCお笑いグランプリ2年連続決勝、さらにはよしもと漫才劇場極メンバー(芸歴8年目以上)によるグランドバトルにて、極メンバー昇格からわずか4日で初出場初優勝を果たすなど、その勢いは止まらない。しかし彼女たちにはこのytv漫才新人賞については心残りがあったに違いない。決定戦直前の選考ROUND3回目にて2位通過を果たし、決定戦進出を果たすも、竹内の体調不良(後に急性虫垂炎だったことが判明)により直前で棄権を決断した。この悔しさを果たすべく彼女たちは再び選考ROUNDに挑む。

3.ハイツ友の会

ついにこの2人がytv漫才新人賞に殴り込んできた。いや、彼女たち風に言えば、''殴り込みにきはられた'' という表現がいいだろう。ハイツ友の会(清水香奈芽・西野)は筆者最推しコンビ(詳しくはこの投稿:https://note.com/cute_coyote94/n/n32b3133081c0)であり、選考ROUND進出の一報が入ってきた時には喜びの気持ちに溢れた。特にツッコミ担当の清水はとあるYouTube動画撮影にて出たいテレビ番組を聞かれた際、数あるテレビ番組ではなく、「ytvの選考会出たいです」と言ったのである。そしてそれが2023年になって実現したのである。全3回ある選考ROUNDを通過すれば、NHK上方漫才コンテスト、ABCお笑いグランプリに続き関西3大賞レーストリプルファイナリストになる。そして彼女たちは彼女たちのペースで、着実に結果を出していくに違いない。

4.三遊間

上記のハイツ友の会と同期(NSC大阪41期)である三遊間(稲継諒・櫻井一世)もこのytv漫才新人賞の結果次第では、ますます株を上げていくに違いない。前回大会の選考ROUND3回目に初進出を果たし、結果は同率6位であった。そして今大会は選考ROUND1回目をトップバッターとして挑む2人。近年の賞レースでは『トップバッターや先行が不利』という風潮ができ始めている。しかし彼らの独特な着眼点と櫻井のハイトーンツッコミがあれば、トップバッターは不利という風潮を吹き飛ばしてくれるだろう。

5.ぐろう、マーメイド、ライムギ(NSC大阪42期卒業生)

ぐろう(家村涼太・高松巧)、マーメイド(田村境祐・テクニック。)、ライムギ(なつみ・れんぺい)の3組を一括りで紹介したい。この3組はNSC大阪42期を卒業しており、今大会選考ROUND1回目出場コンビの中ではコンビ歴が短い3組である。この同期3組はそれぞれネタやボケ方・ツッコミ方などに個性や違いがあるということを間近で観たことがある。先月、この3組と上記のハイツ友の会、三遊間が一緒の出演だったライブを観に行った。マーメイドは結成前からお互い積極的にお笑い活動に勤しんでいたこともあった(田村はハイスクールマンザイ2016にて審査員特別賞受賞、テクニック。は2014年にワタナベコメディスクール卒業、東京で流し芸人を経験)からか、若手とは思えぬいぶし銀な風格が感じ取れた。そしてライムギはマーメイドと対称に、とてもフレッシュなものを感じた。なつみの1つ1つのボケも、れんぺいの1つ1つのツッコミも見ていてとても新鮮かつエネルギッシュであるのを感じ取ることができた。そしてぐろうの漫才からは2人の情熱というものがとても伝わった。ネタの話題に対するお互いの掛け合いに情熱がこもっており、その掛け合いが面白いとして成立しているのが分かった。ネタを見終わった後、『やはり翔GP(芸歴7年目以下の翔メンバー総出演)優勝するだけあるな』と思った。

終わりに

今回出場の12組のうち7組に焦点を当ててまとめてみた。正直どのコンビが優勝してもおかしくはない。むしろそれくらい大会はハイレベルな領域に入っているのだ。この中から今大会を制するのはどのコンビか注目である。

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