ジャックとかプレクトラムとか

スピネットの調律の苦心する点として、鍵盤に対応する弦・チューニングピンの位置が分かりづらい、というのがあります。鍵盤に対して弦が右斜め前方に伸びているというスピネット独特の形によります。この点がチェンバロとは異なる点です。

鍵盤とチューニングピン、ジャック、弦の部分です。
中央の「ド」の鍵盤を指で触っています。この鍵盤に対応するチューニングピンがどれになるかというと、少し左側、赤い丸いフェルトがはまっているピンになります。鍵盤のまっすぐ向かい側ではないのです。
ちなみに、「ド」の鍵盤のほぼ向かい側(よりちょっと左)には白いフェルトがはまっているピンがありますが、これは「ファ」のピンになります。
パッと見、どのピンかがわかりづらいので目印として赤や白のフェルトがあります。
そのうち慣れてくればどのピンがどの鍵盤に対応しているかもわかるようになるでしょう・・・

レールより向こう側、弦が斜めに張ってあるの、おわかりになるでしょうか。
そのため、ジャック列も斜めになっています。
最初見たとき、チェンバロとはだいぶ違うことに驚きました(^^;



ジャックとプレクトラム(ツメ)です。
上の写真のジャック列にあるジャックは簡単に取り外せます。プレクトラムが弦に触るときにちょっと注意しながら、そーっと上に抜きます。

赤いフェルトが見えますが、これがダンパーです。
ピアノのダンパーとは全然違いますね・・・
ダンパーの下のあたりにちょこっと白い針みたいなものが見えますが、これがプレクトラム。これで弦をはじいたら音が出ます。

ジャックの左に並べてあるのがプレクトラム単体です。替え用にいただいてあります。
もしジャックについているプレクトラムに不具合が起こったら自分で取り替えないといけないのです。まだやったことがないので、これは教わらないと。

プレクトラムはきちんとしたチェンバロなら鳥の羽軸を用いているようですが、今はプラスチック(「デルリン」という素材)も多いようです。
写真のプレクトラムは工房の方でカットしていただいていますが、1枚(1本?)の板でも売っていて、それを自分で切り出す、というのもあるようです。写真のものもよく見ると形状がちょっと不揃いなので、実際に使うことになったら整えてやる必要がありそうです。


と、こんな感じで、何から何までピアノとは違い手間がかかることは確かなのですが、考えてみれば自分で手をかけながら音を作っていくのですからこんなに楽しいことはありません。

私はチェンバロを習うようになって格段に音への関心が高まりました。
また、スピネットを手元に置くことによって楽器のメカニズムへの関心も高まりました。



1週間後にはレッスン。
練習と勉強、頑張ろう♪

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