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クリスマスの思い出

子供の頃
クリスマスだからといって何か特別なことはなかった
おじいちゃんおばあちゃんの家で
いつも通り食卓を囲んでいた


おばあちゃんはよく
最近の子供が好きそうな料理は作れないと言って
いつもお惣菜屋さんに連れて行ってくれた

クリスマスあたりにはチキンレッグが並ぶ
それにとても憧れたけど
お肉が好きじゃないおばあちゃんは
「おぉ気持ち悪い」というので
食べてみたいって言えなかった


ケンタッキーフライドチキンのお店がオープンした
車で20分くらい離れたところだけど
子供はこういうの好きだろうと
おじいちゃんが連れて行ってくれた

ものすごく混んでいた

特に予約もしていなかったし
あの当時そういうシステムはあったのかな?
とにかくとにかく延々待っていた

そういったお店に連れて行ってもらうのも初めてだったので
どういう行動が正しいのかわからず、私はずっと立って待っていた
おじいちゃんは、長く待つんだからと客席に座る
私は、そこで食べるわけでもないのに、そんなところに座っちゃダメだと思ったし、そうするおじいちゃんが恥ずかしいと思っていた

やっとできたチキンは美味しかった

今思えば、別に何にも恥ずかしいことなんてない
いつも孫のことを考えて
それを行動に移してくれていたのにな

クリスマスの時期
ケンタッキーのcmを頻繁に目にする
お店の前のカーネルさんも
サンタさんの格好をし始める
それを見るたびに
おじいちゃんに謝りたくなる

もう直接謝ることはできないけど
あの時変な態度をとってごめんね






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