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初夏 (New ver.)

初夏の風が
窓から入ってきて
グラスが午後の光を
テーブルの隅にあつめる
なつかしいあの歌を
頭の中に流しながら
窓の外の木々の揺れを
ただ眺めている

夕立が降るのを待つ人たちは
喫茶店で待ちぼうけ
モカ珈琲かくまで苦いな
ミルクとザラメ容れようか
誰かの些細な偏りに
面を食らって涙が枯れるほど
毎晩、泣いていたのさ
公園通りを歩けば
花が薫るこの季節の只中
路肩に咲く花の名も
わからないままで
歩いていくんだ

初夏の風が
窓から入ってきて
グラスが午後の光を
テーブルの隅にあつめる
なつかしいあの歌を
頭の中に流しながら
窓の外の木々の揺れを
ただ眺めている

夕刻過ぎに列車に揺られる人々
スマホばかりを見てる
朝はいつも心ときめいてるのに
夕焼けを見ると人恋しくて
僕らふたり
毎日の暮らしに忙殺されて
気がつけば
心の距離が大きくなっていたんだよ
好きな公園を
散歩しても
虚しくなってきたのなら
明日、二人で
出かけよう

初夏の風が
窓から入ってきて
グラスが午後の光を
テーブルの隅にあつめる
なつかしいあの歌を
頭の中に流しながら
窓の外の木々の揺れを
ただ眺めている

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