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わたしをくいとめて#1

僕が高校生の頃に観た映画でとてもいまでも印象に残っている映画がある。
それは「私をくいとめて」という大九明子監督の映画だ。
原作は綿矢りささんの同名小説で、それをもとに大九明子監督が脚本を書いて監督した映画だ。
僕はこの映画を観たあと、人生ではじめて1000円くらいする映画パンフレットというものが存在することを知り、それを無意識的にチケット売り場で購入していた。
なぜパンフレットというものがあると知ったかというと隣の席で観ていた女性が映画を観る部屋の扉を出たあと、そそくさとチケット売り場に行き、
「パンフレットありますか?」と尋ねていたからである。
それからというもの、映画館に早く到着してしまったら、観る予定の全くない作品のパンフレットもついつい目を通してしまうくせがついてしまった。
話は大きく逸れてしまったが、この作品がぼくは大好きである。
全体を通して見るとこの物語では、大きな事件や深刻な問題はあまり起きない。いや、全く起きないと言ってもいいかもしれない。
しかし、のんさん演じるヒロインみつ子のこころの中では、いろんなことが巻き起こっている。
そう、この作品のいちばんの見どころはヒロインみつ子の心境の変化。どうしようもないもやもやや怒り、そして恐怖とどうやっていっしょに生きていくかを模索しながら懸命に生きていくみつ子の生き様なのである。

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