口ずさむ その２

暮れゆくまちを背に
春の歌を口ずさむ
心ゆくまで
歌いましょうか
まちの景色が霞んでゆくまで

通りゆくちいさな影と
おぼえたての春の歌
心ゆくまで
歌いましょうか
その背丈がおおきくなるまで

桜は散りゆく　はらはらと
かなしいことにも　うれしいことにも
構うことなく
夜空に流れる甘い調べを
このくちびるで口ずさみたい

月のあかりが眩しくて
夜の歌を口ずさむ
心ゆくまで
泣きましょうか
まちの灯りが滲んでいくまで

桜は散りゆく　はらはらと
かなしいことにも　うれしいことにも
構うことなく
夜空に流れる甘い調べを
このくちびるで口ずさみたい

暮れゆくまちを背に
春の歌を口ずさむ
心ゆくまで歌いましょうか
まちの景色が霞んでゆくまで