ゲーム三昧 episode:9
西の果てからゆっくりと太陽が昇り
空が明らんでくる
朝の風と共に梢がざわめく
アーシャはよく眠っている
余程疲れていたのだろう
そっと起こさぬよう焚火のそばを離れ
辺りを散策する
食料の持ち合わせはあまりない
獣でもいれば良いのだが
木々の隙間から昇りかけの太陽の光が差し
森の朝特有の湿った匂いが辺りを包む
この森はまだ平和だ
凶暴な魔物もめったには出てこない
ふと以前自分だった存在が頭をよぎる
まだ彼のレベルには達していない
恐らくいつか出会う日が来るのだろう
あの場所できっと私が来るのを待っている
寒気にも似たざわめきが体の中を這っていく
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