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小さな男 その6

長く暗い闇の中を歩く
明滅する街灯の光は
その先を照らさない

潮騒に舞う蝶の羽
明滅する光は
影絵のように暗闇に
幻覚を映し出す

アスファルトの道は
けぶる雨に濡れ
足元を水で濡らす

永遠とも思える
闇の時間
人は心地よく貝殻の中で眠り
海中の奥底で息を殺す

風が冷たい水の臭いを
浴びせ掛ける
これは誰の息か

どこの知らない誰かかが
この闇の支配者は俺だと
まるで誇示するかのように

闇の中一つ
明かりが見える
公園の明かり

明かりの下濡れたベンチに腰掛ける
もう今日は歩きたくない
このまま朝まで
蹲るようにして眠る

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