ゲーム三昧 episode:7
栗毛髪の少女
彼女の名はアーシャ
幼い頃から修道院で時を過ごし
聖職者としての習いを受けたのだそうだ
行動を共にしてからは日に日に
聖霊たるその力を高め
今では欠くことのできない無い存在となった
"勇者様、お腹が空きました"
そういえば昨日から歩き尽くし
碌に食べ物を口にしていない
「アーシャ、休もう」
日はとうに陰り辺りは闇の中
手に持つ松明だけが頼りだ
どこからか時折獣の鳴く声が聞こえてくる
手分けして火種となる枯れ枝と枯れ木を集め
焚火に火を点ける
「アーシャ、疲れたか」
"勇者様…、へとへとです"
少し無理をしたか
先を急ぎ過ぎたかもしれない
「今日はゆっくり休もう」
手持ちの荷から油紙に包んだ獣の肉を
取り出し焚火の火で炙る
暫くして肉汁が香ばしく滴り落ち
食へと誘う
「アーシャ、食べよう」
疲れた目をした少女は
差し出された肉を手に取り
おもむろに口へと運ぶ
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