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かつて白雪姫だった魔女より。

白雪姫の年齢制限何歳なんだろうか?
と、グルグル考えることがある。

「え?46歳なんですか?30代後半か40歳くらいに見えましたー!!」
そう言われても、正直何も嬉しくない。
どんな風に言われたら満足できるのだろうと、
せっせと毒林檎をこさえながら考える。

「貴方は若い。どう見ても二十代に見えます。」
鏡はずっと、そう答えてくれていた。
その欲深い答えが聞きたくて毎日問いかけ、そしてある日鏡はこういう。

「おばさん。」

耳を疑う。

「貴方は年相応ですよ。本当に若いのは白雪姫です。」


怖い。
歳をとるのが本当はずっと怖い。
「意識してませんよ。」というふりをして、
多様性という言葉を噛み締めながら、
私は何歳に見えているのだろうと、
死ぬほど気にしている自分の心が煩い。

かつて白雪姫だった頃、魔女に向かってこう言った。
「えーーー?46歳??全然見えないですぅ!!わっかー!!」
年相応ですよと心で思いながら、
少しでも魔女に喜んでもらいたくてそう言っていた。
だから知っていた。
それを言うことの意味を、自分が一番分かっていた。

魔女は、毒林檎を持って、白雪姫に会いに行く。
こんにちはかつての自分。
もうどこにもいない白雪姫。

「あ、、、魔女さんこんにちは〜!!今、見てました??恥ずかしい!!なんかぁスカートのサイズ変わっちゃってー、ファスナー閉まらなくて。笑 魔女さんはスタイル良くて羨ましいです!!」

「え?あ!!
ごめんね邪魔して!白雪ちゃんまたねー♪」

なんとなくそんな事で、
そんな事が魔女はとんでもなく嬉しかった。

家に帰ってから、
もう何も喋らなくなった割れた鏡と、
床にぶちまけたアンチエイジング化粧品と美容サプリメントを、
「ふっ」と息を吐き、静かに片付けた。


「Hey Siri。私は何歳に見えますか。。。。。?」
「あなたは46歳のようです。」

終わり。


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