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白雪姫は魔女だし、魔女は白雪姫だ。

「鏡よ、鏡よ、鏡さん。世界で一番美しいのは誰?」

魔女がグツグツ煮込んでいる薬草のようなものを飲んでた頃がある。

綺麗になるために。

洗面所には顔に塗る薬品がズラッと並んでいて、導入液というものからスタートして、儀式のように、祈るような気持ちで、ひたすら顔にベタベタと塗りこんで行った。

電車の中、会社の中、コンビニの中、雑踏の中。

突如魔女の顔が目の前に浮かぶ。

かつて「白雪姫」だった女の疲れた顔。

魔女の顔のような自分の顔。

「世界で一番美しいのは白雪姫です。」

洗面所の薬品を床にぶちまけた。

魔女になるつもりなんて無かった。ずっと白雪姫でいたかった。

でも、白雪姫に年齢制限持たせたのは、

多分自分自身だ。



一方その頃白雪姫は、

お腹のお肉を気にしていたりしたとさ。


おしまい

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