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米国高配当ETF 徹底比較(24年6月11日)


株式投資をする上では、現金として不労所得をもたらしてくれる配当金はとても魅力的ですよね。そんな配当金に着目して構成銘柄を選定している米国株ETFとして有名なのが以下の4つだと思います。

(1) HDV
(2) SPYD
(3) VYM
(4) VIG

この記事ではこれら4つの高配当ETFについて、いろんな視点で比較してみたいと思います。

1. ETFの概要

まずは、すでによくご存知の方も多いかとは思いますが、それぞれのETFについて簡単に概要を紹介したいと思います。

1-1. HDV

運営会社: ブラックロック
経費率: 0.08%
設定年月: 2011年3月
資産総額: 約8,000億円
分配金利回り: 3.55%
ベンチマーク: モーニングスター配当フォーカス指数
投資対象: 財務健全性と配当利回りの高い企業
組入銘柄数: 75銘柄

1-2. SPYD

◆運営会社: ステート・ストリート
◆経費率: 0.07%
◆設定年月: 2015年10月
◆資産総額: 約5,200億円
◆分配金利回り: 5.15%
◆ベンチマーク: S&P 500高配当指数
◆投資対象: S&P 500の高配当上位80銘柄

1-3. VYM

◆運営会社: ヴァンガード
◆経費率: 0.06%
◆設定年月: 2006年11月
◆資産総額: 約4兆2,000億円
◆分配金利回り: 2.83%
◆ベンチマーク: FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックス
◆投資対象: 配当利回り平均以上の大型株

1-4. VIG

◆運営会社: ヴァンガード
◆経費率: 0.06%
◆設定年月: 2006年4月
◆資産総額: 約6兆8,800億円
◆分配金利回り: 1.61%
◆ベンチマーク: ナスダック米国ディビデンド・◆アチーバーズ・セレクト指数
◆投資対象: 過去10年間連続増配の米国の普通株(REITを除く)

株価推移

まずはそれぞれのETFの株価の推移を見てみましょう。以下の図は、2014年5月のそれぞれのETFの株価を100として、その後の株価の推移を表したものです。

米国高配当ETFの株価比較

上の図から現在までの上昇率は以下のようになりました。

1位: VIG
2位: VYM
3位: HDV
4位: SPYD

何となくイメージの通りかとは思いますが、配当利回りの高いETFは株価成長率が相対的に劣るという結果になりました。
配当を取るか、株価上昇を取るか、投資家の考え方が分かれるところですね。

配当金推移

続いては配当金の推移を見てみたいと思います。以下の図はそれぞれのETFのここ10年間の配当金の推移を示しています。

高配当ETFの配当金比較(1)

上の図より商品によって配当金の金額は異なるものの、全てのETFが年々配当金を増やしているということが分かります。

配当金の推移を視覚的に分かりやすくするために、以下の図では2014年の配当金の金額を100とした時の各年の配当金の数値を記載しています。

高配当ETFの配当金比較(2)

グラフより直近のデータである2023までの増配率は以下の順位となりました。

1位: VIG
2位: SPYD
3位: HDV
4位: VYM

連続増配銘柄で構成されているVIGの増配率が高いのは多くの方にとって予想通りだとは思いますが、増配は考慮せずに銘柄が構成されているはずのSPYDが増配率が高いのは意外だったのではないでしょうか。

配当利回り

最後に配当利回りについて見てみたいと思います。以下の図に各ETFのここ10年間の配当金の推移を示しています。

高配当ETFの配当利回り比較

グラフから購入時の配当利回りで見ると最新の2023年は以下のような順位になります。

1位: SPYD
2位: HDV
3位: VYM
4位: VIG

やはりVIGやVYMのように株価成長で投資家に利益をもたらしている銘柄は配当利回りで見ると少し劣るという結果になりました。

まとめ

今回は米国高配当ETFとして有名な4銘柄の株価推移、配当金推移、配当利回り推移などを比較してみました。いかがだったでしょうか。

当たり前のことではありますが、株価上昇、配当利回り、増配率の全てで他を圧倒するような銘柄はありませんね。株価や増配率を重視したい方はVIG, 配当利回りを重視したい方はSPYD, それらのバランスを取りたい方は好みにあわせてHDVやVYMを選択してみてもいいかもしれませんね。

それでは、米国高配当ETF比較はここらへんで終わりたいと思います。

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