100円のコーラを1000円で売る方法

ふと、マーケティングを学ぼうと思い、本書を手に取った。

マーケティング初心者の導入書として有名だそう。           100円のコーラを1000円で売るってことは、付加価値か?と思ったがそれ以外にもたくさんの法則・原理がストーリー系式で盛り込まれていました。


1.アメリカの鉄道事業ははぜ衰退したのかー事業の定義

【マーケティングのカギ】「製品志向」と「顧客志向」

アメリカでの移動=鉄道 というイメージはあまりないと思う。西部劇などではよく見る光景だったはず(私がBACK TO THE FUTURE好きだからですかね?笑)なのに、なぜ衰退してしまったか。

鉄道会社は「製品志向」で事業を行っており、「顧客志向」を見逃したためにほかの移動手段に客を取られてしまった、というのが本書の解説です。

「お客のために、よい鉄道サービスを提供する」・・・製品志向     「お客さんを輸送する手段を提供する」・・・・・・・顧客志向

後者のほうが、柔軟で変化に対応しやすい考え方でありますね。     このように、事業の本質を顧客面から再考察するのが大切です。


2.「お客さんの言いなりの商品」は売れない?-顧客絶対主義の落とし穴             3.顧客の要望に100%答えても0点ー顧客満足のメカニズム

【マーケティングのカギ】顧客満足の式

顧客満足=顧客が感じた価値ー事前期待値

要望を遵守する会社と、顧客通りにはいかないが、予想を超える提案をする会社。(顧客の言いなりになることはカスタマー・マイオピアという)  事前期待値よりも顧客が感じる価値を考えることが満足につながる。

言いなりの商品は

顧客が感じた価値100%-事前期待値100%=顧客満足0% であるのだ。


4.値引きの作法ーマーケティングチャレンジャーとマーケットリーダーの戦略

【マーケティングのカギ】マーケティングチャレンジャー/マーケットリーダー/コストリーダーシップ

市場シェアと収益率が一番の会社・・・マーケットリーダー       その他の会社・・・・・・・・・・・・マーケティングチャレンジャー

価格戦略で勝負する際、マーケティングチャレンジャーが値下げをしたらどうなるだろう?

収益率の高いマーケットリーダーが、対抗し値下げしてきた場合に、また値下げをしなければならないというデフレループに陥る。(マーケットリーダーにはあまり痛手がない値下げの場合であれば最悪だ)

よって、マーケットチャレンジャーが値段で勝負するのは自殺行為である。マーケットリーダーに、コストリーダーシップはあるのだ。


5.キシリトールガムがヒットした理由ーバリュープロポジションとブルーオーシャン戦略

 【マーケティングのカギ】バリューポジション 潜在顧客数

「顧客が望んでいて」「ライバルが提供できない」「自社が提供できる価値」のことをバリュープロポジションという。  

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他社と同じことに、コストと時間をかけるのではなく、自社にしかできないことを考えることでしか、競合社会を乗り越えることはできない。

キシリトールガムは、従来のガムのような「味」「香り」で勝負するのはやめ、「虫歯になりにくい」という要素を加えて新市場(ブルーオーシャン)を開いた。                             日本で虫歯になる人は1割程度。残りの9割を顧客に取り込んだことで、潜在顧客数を日本人全体に広げた。(いわゆる予防歯科という考え方の浸透である)


6.スキンケア商品を売り込まないエステサロンー競争優位に立つためのポジショニング

【マーケティングのカギ】○○視点

エステサロンの仕事は、自社のエステ商品を使ってもらうことではなく、

お客様に美しくなってもらうこと

そのためには、顧客の視点に立って、何が必要でなにがいらないかを再考する必要がある。

7.商品を自社で売る必要はないーチャネル戦略とWinWinの関係

【マーケティングのカギ】チャネル戦略 WinWinの実現

例)キシリトールガム

「虫歯予防に効くガム」という宣伝は薬事法にひっかかり、使用することができない。なので、ガムではなくキシリトールに注目し、食品素材メーカーとしてシンポジウムを開く                      →顧客への価値を最大化するための、流通チャネル選択(食品メーカーと素材メーカーの共同)

キシリトール入りガムの認知度を上げるため、複数社で発売       →WinWinの関係

8.100円のコーラを1000円で売る方法ー値引きの怖さとバリューセリング

【マーケティングのカギ】プロダクトセリング バリューセリング

ディスカウントストアで買うコーラと、リッツカールトンで買うコーラ  商品は同じでも、価値は違うことはわかる。

ディスカウントストアのコーラ=                   コーラという液体を、安く提供できるのが価値(プロダクトセリング)

リッツカールトンのコーラ=                     サービスを含め、コーラを使って雰囲気を味わってもらうのが価値(バリューセリング)

一概に、カスタマーマイオピアに縛られ価格競争に精を出す必要はない(日本企業はこの鎖に縛られている傾向がある)


9.なぜ省エネルックは失敗して、クールビズは成功したのかーコミュニケーションの戦略的一貫性

【マーケティングのカギ】コミュニケーションの一貫性         1.ターゲットの明確化                       2.目的の決定                           3.コミュニケーションの設計                    4.チャネルの選択                         5.予算設定                            6.コミュニケーションミックスの決定

例えば人気の俳優を起用したCMを作る、となったとき、        その商品のコンセプトにあう人選なのかを基軸にする必要がある。    (不倫歴のある人に、家電のCMってなんだかな・・という感じ)

省エネルックが浸透しなかったのは、話題性が先行してしまい、実が伴っていなかったのが原因であると本書にはある。(おそらく、4のチャネルの選択の誤りが原因ではないかなと思いました。話題になっているのに売れないのは、マスメディアの選択がうまくできておらず、ターゲットに直接届かなかったのかな。。。)

10.新商品は必ず売れない?-イノベーター理論とキャズム理論

【マーケティングのカギ】イノベーター理論 キャズム=普及の谷

〇イノベーター理論

新商品が世の中に出ると普及段階によって、購入する客層に変化がある 

イノベーター(2.5%)→アーリーアダプタ(13.5%)→アーリーマジョリティ(34%)→レイトマジョリティ(34%)→ラガード(16%) 

〇キャズム理論

アーリーアダプターと、アーリーマジョリティの間に          普及までの時間がより多くかかること(キャズムの谷)

この仕組みや順番をしり、時期によって販売の戦略を変えていくことが大切

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感想

日常生活で、モノを売る経験をあまりしたことがないため、このような法則をが存在していることに驚嘆しました。しかし、マーケ手法は世の中にたくさんあふれているにもかかわらず、なぜ失敗する新商品が多くあるのか。。。と一消費者として思いますね。

このような理論だけではなく、心理学や経済学など様々な要因が絡まっているのでしょうね。まだまだ勉強する必要があります。。。


てなわけで、おすすめの本があれば、ぜひご紹介ください!