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助けをもとめる勇気~クリス・コルファー

がまんしないで

前の記事は「いじめは、いつかは終わる」というテーマでしたが、今回からは、だからといって、大人になるまで「がまんしないで」というお話です。

がまんしないためには、
①だれかに助けてもらう 
②そこから離(はな)れる
という方法があると思いますが、この記事では①について、クリスさんの言葉をご紹介しましょう。

なお、「助けを求める」のは、いじめだけではなく、うつ病っぽいなどメンタル(こころ)の調子が悪いときにも大切なことだと言えます。

▼ ②の「そこから離れる」については、こちら。


はずかしからないで、助けを求めて!

クリス:もしも、落ちこんで、ゆううつで、孤独(こどく)に感じる時期からぬけ出せないようなら(中略)けっして自分は一人ではないことを、どうか知っておいて下さい。
そして、どうか、どうか、恥(はじ)だと思わないで助けを求めて下さい。
ときには、一番勇敢(ゆうかん)な行動が「助けを求めること」だという場合もあるからです。

ー クリス・コルファー 2020.6.4 中高生の芸術文芸賞・ 授賞式のスピーチ 

▼ 25分くらいから、クリスさんのお話(英語)です。中学・高校生にメッセージを贈っています。


誰かを助けるのと同じくらい、勇敢なこと

クリス:メンタルを病むと、はずかしさや罪悪感(ざいあくかん)を感じすぎてしまうんだよ。そんな必要はないのにね。
だからぼくが望むのは、「そういうものなんだ」と早いうちに子どもたちに教えてあげられたら、もっと幸せいっぱいの人生を送れるし、助けを求めることをおそれなくなると思うんだ。

この本(" A Tale Of Witchcraft " 今は英語版のみ)で一番大事なのは、「 ときには、助けを求めることが、だれかを助けるのと同じくらい勇敢だということもある」ということなんだ。
それがこの本の、大きな大きなテーマなんだよ。

シャー・マーゴリス:本当にそうね。どうやって助けを求めたらいいか、わからない人も多いわ。

クリス:まったくその通りなんだ。だから、メンタルの病気だとか自分の弱みをさらけ出すようなことから、「はずかしさ」や「罪悪感」や「自己嫌悪(じこけんお)」を取りのぞいてくれる物語、それが今、子どもたちに本当に必要な物語だと思うんだよ。

ー クリス・コルファー 2020.10.30 シャー・マーゴリスさんとの対談

「罪悪感」は、悪いことをしているような気持ち。
「自己嫌悪」は、自分を好きになれない、という気持ちです。
実は、いじめなどのストレスやこころの病気が、そう思わせているだけなので、こういう気持ちに負けないで助けをもとめてほしいと、クリスさんはおっしゃっています。

▲ 親友のシャー・マーゴリスさんとの対談。
なんと、お仕事は「霊媒師(れいばいし)」といって、死んだ人の言いたいことがわかる人です。

▼  21分くらいから始まりますが、ハロウィンなので、クリスさんは「ウォーリーをさがせ」の仮装をしています(笑)

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勇気は奪(うば)えない

クリス:勇気というのは、ぼくたち全員の心の中にあって、決して奪うことができないものなんだよ。
それは、思いやりや賢(かしこ)さにもつながっているんだ。
こういうものを大切にする人は、しない人よりも、ずっと幸せな人生を送れる。ぼくは、そう思ってるよ。

ー クリス・コルファー 2019.1.7 ドリーム・ビッグ・ポッドキャストより

▲ クリスさんの、このTシャツにも、「勇気とは、だれにも絶対にうばい取ることのできないものだ」と書いてあります。

聞いてもらうだけでも

さいごに、私から。

子どものころからの悩みの一つが、家族による暴力でした。
本人のメンタルの病気が原因なのでしかたなかったのですが、骨折する家族もいたし、家も小さくて逃げ場がなかったのです。

しかし、20歳のときに思い切って先輩(せんぱい)に話してみたら、運転中だった先輩は急ブレーキをふんで、泣き出してしまいました。
なんと、同じ経験をしていたのです。
このつらさをわかってくれる人がいる。それだけで、とても心が軽くなりました。

やがて、その家族の病気はなおり、暴力もなくなりました。
でも、あの先輩に話をしたときに、すでに、つらさの半分以上がなくなっていたような気がします。

▼ 次回の記事は、こちらです。