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ウィッグを自分で染めてみよう! おすすめの染料から注意点までご紹介

ウィッグを購入したものの、想像していた色と少し違う場合もありますよね。また、病気でウィッグを利用している方の中には「そろそろ飽きてきたけれど、自然な見た目は気に入っているし……」と、新しいウィッグの購入をためらっている方もいるでしょう。それなら、自分でウィッグを染めてみませんか?

今回は「そもそもウィッグは自分で染められるの?」という疑問から、染める際の注意点や染色材についてご紹介したいと思います。

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ウィッグを自分で染めることは可能なのか

結論からいうと、ウィッグを自分で染めることは「可能」です。

ただし、ウィッグの素材や元の色、染める方法によっては染まらないこともあるので注意しましょう。

例えば、市販のカラー剤を使用してウィッグを染める場合、100%人の髪から作られた「人毛ウィッグ」であれば染まりますが、ポリエステル系の化学繊維でできた「人工毛ウィッグ」は全く染まりません。

というのも、人の髪の表面には“キューティクル”と呼ばれる層があり、その中にカラー剤を閉じ込めてメラニン色素を化学反応させることで髪は染まります。

しかし、人工毛ウィッグにはキューティクルやメラニン色素が存在しないため、市販のカラー剤やブリーチ剤では染めることができないのです……。

また、基本的には明るい色を暗い色に染めることは可能ですが、反対に暗い色を明るい色に染めるのはほぼ不可能だと覚えておきましょう。

ここで浮かぶのが「人工毛ウィッグを自分で染めることはできないのか」という疑問ですよね。

人工毛ウィッグを染めたいと思っている皆さまに朗報です。人工毛ウィッグを染める方法もあります!

ここからは、人毛ウィッグおよび人工毛ウィッグを染める方法を詳しくご紹介します。

ウィッグを染める方法


市販のカラー剤
先ほど説明した通り、100%人の髪から作られた「人毛ウィッグ」は市販のカラー剤で染めることができます。染める方法は、自分の髪の毛を染めるときと同じように、カラー剤の説明書きに従ってください。

【注意点】
市販のカラー剤なら簡単に人毛ウィッグを染めることができますが、失敗したからといって元の色に戻すことはできません。高級な人毛ウィッグを染める際はよく考えてから行いましょう。

また、ウィッグを染める際にウィッグキャップまで染まってしまったり、つむじ部分の人工頭皮にカラー剤が付着して取れなくなったりする恐れがあるので要注意です。

そして、染め終えた後のウィッグのお手入れも忘れてはいけません。人毛ウィッグは本物の髪と同様にダメージを受けやすいので、着用後はウィッグブラシ等で必ずブラッシングして、定期的にダメージヘア用のシャンプーやリンスでお手入れしましょう。

アクリルガッシュ

「アクリルガッシュ」とは、アクリル絵具の中でも不透明な水彩絵の具を指します。色ムラが出にくく、速乾性があるので簡単にウィッグを染めることができます。画材屋や100円均一ショップなどで安価で手に入るうえに、色を混ぜてお気に入りの色を作り出すことも可能です。

染める方法は、70℃ぐらいのお湯に1~2本分の絵具と塩ひとつまみを入れ、ウィッグを浸け置きます。染まり具合を見ながら、1~3日ほど経てば完成です。染まったウィッグは、シャンプーやリンスを使ってしっかり洗いましょう。

【注意点】
アクリルガッシュでウィッグを染める場合、熱を入れるのでどうしてもウィッグがごわごわになってしまいます。ダメージを最小限に抑えるためにも、染めた後は入念にお手入れしましょう。

また、浸け置きしているとしっかり染まっているように見えるものの、洗い流すと想像以上に色味が薄くなります。それを考慮して絵具を多めに使うか、理想の色になるようにもう一度染めてみるのもいいかもしれません。

【参考】
ターナー色彩 アクリルガッシュ 12色スクールセット AG12C 11ml
出典:https://www.amazon.co.jp/ターナー色彩-アクリルガッシュ-12色スクールセット-AG12C-11ml/dp/B001NGOGMI

ダイロン

「ダイロン」とは、天然繊維・レーヨン・ナイロンなどを染めることができる英国製の染料です。手芸店やホームセンターなどで安価で手に入るうえに、染める色の濃度を調整しやすいというメリットがあります。

染める方法は、沸騰したお湯にダイロンと塩大さじ2~3杯を入れ、よくかき混ぜてからウィッグを投入します。濃く染めたい場合は数時間煮詰め、薄く染めたい場合や毛先だけ染めたい場合は熱湯に入れて放置しておけばOKです。染まったウィッグは、シャンプーやリンスを使ってしっかり洗いましょう。

【注意点】
ダイロンは服に付くと取れないので、汚れてもいい服で作業しましょう。手に付いた場合もしばらくは落ちないので、ゴム手袋の着用をおすすめします。

ウィッグを染めるデメリットは、熱湯に入れるためウィッグが傷むことと、ムラになりやすいことです。ダイロンで染める際は、ムラになる原因として考えられる「塩が足りない」「ダイロンに浸した後にひっくり返していない」の2点を注意してみてくださいね!

【参考】
DYLON マルチ (衣類・繊維用染料) 5.8g col.08 エボニーブラック [日本正規品]
出典:https://www.amazon.co.jp/DYLON-衣類・繊維用染料-col-08-エボニーブラック-日本正規品/dp/B000TRQDN2/ref=sr_1_3?keywords=%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%AD%E3%83%B3&qid=1582733765&sr=8-3

コロランテ

「コロランテ」とは、日本最大級のウィッグ・コスプレウィッグ・カラコンの通販サイト「Swallowtail(スワローテイル)」オリジナルのウィッグ用染料です。カラーは全20色あり、1回たったの2gで染めることができるのでショートやミディアムなら約10回、ロングやスーパーロングでも約5回染められます。

「コロランテ」でウィッグを染める場合は、塩やお酢は必要ありません。85℃以上のお湯にコロランテを溶かし、ウィッグを入れて毛束をほぐすように揉みながら10分置きます。その後、中性洗剤でしっかりウィッグを洗い流しましょう。

【注意点】
初心者でも失敗なく染められると人気の「コロランテ」ですが、真っ黒に染まるカラーがないのがマイナスポイントです……。「コロランテ」は絶妙に淡いカラーが魅力なので、黒髪を求めている方は別の方法で染めましょう。

【参考】
ウィッグ用染料 コロランテ 全20色
出典:https://swallowtail-wig.com/SHOP/colo.html

染めタロー

「染めタロー」とは、コスプレウィッグ専門店「Assist(アシスト)」オリジナルのウィッグ専用染料です。カラーは全11色あり、別の色と混ぜてオリジナルカラーを作ることもできます。

「染めタロー」でウィッグを染める場合は、「コロランテ」同様に塩やお酢は必要ありません。「染めタロー」と80℃のお湯を1:20の割合で用意し、そこへウィッグを投入します。染め具合を見ながら、お湯の量やウィッグを浸す時間を調整しましょう。

【注意点】
「染めタロー」でウィッグを染める場合、熱を入れるのでどうしてもウィッグがゴワゴワになってしまいます。せっかくのオリジナルカラーウィッグを無駄にしないためにも、定期的なお手入れを心掛けましょう。

【参考】
★アシストオリジナル★ ウィッグ専用染料 染めタロー
出典:https://www.assist-wig.com/item/018461

みやこ染

「みやこ染」とは、ECO染料の専門店である桂屋ファイングッズが販売する染料です。みやこ染にはコールダイホット、ポリエステルダイ、コールダイオールなど種類があり、ウィッグを染めるには「コールダイホット」か「ポリエステルダイ」を選びましょう。

染める方法は、沸騰したお湯にコールダイホットかポリエステルダイを入れ、溶け残りがないようにしっかり溶かします。そこへウィッグを投入し、毛束をかき分けながら10分間ほど染めていきましょう。染まったら、中性洗剤でウィッグを洗います。

【注意点】
「みやこ染」は粉なので、お湯に溶かす際に丁寧にきっちり溶かさないとムラになります。染料を溶かすときに、熱湯を2回に分けて注ぐと溶けやすくなるので試してみてくださいね。

【参考】
みやこ染 コールダイホット
出典:https://classewig.com/wig/index.php?main_page=product_info&products_id=16807

ウィッグカラーリング対応の美容室もある

ここまで読み進めて、自分でウィッグを染めることに興味を持った方もいれば「やっぱり大変そう……」と心が折れかけている方もいるでしょう。たしかに「染料を購入して、色を調合して、ウィッグが浸かる耐熱容器を用意して……」と事前準備だけでも労力を要しますし、ウィッグが思い通りの色に染まるかどうか不安にもなりますよね……。

そんな方は、ぜひウィッグのカラーリングに対応している美容室でカラーしてもらいましょう!

世界で1つだけのオリジナルカラーのウィッグを作ろう!

「人毛ウィッグ」は市販のカラー剤で染めることができますが、キューティクルやメラニン色素がない「人工毛ウィッグ」はカラー剤では染まりません。「人工毛ウィッグ」を染める場合は、ポリエステル用の染色剤を用意してください。

また、自分でウィッグを染める場合は“明るい色から暗い色”を基本とし、暗い色のウィッグを明るい色に染めるのはほぼ不可能だと考えておいた方がいいでしょう。

まとめ

今回ご紹介したウィッグの染め方を参考に、色味に飽きてしまったウィッグや、想像と違ったウィッグを世界中でたった1つのオリジナルカラーウィッグに生まれ変わらせてみませんか?

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ライター名:奥平 望
プロフィール文:ライター、元ダンサー。これまでダンスのショーやパレードで数々のウィッグを着用してきました。その経験を元に、普段とは違う自分になれる魔法のようなウィッグをご紹介できたらと思います!
Twitter:https://twitter.com/NozomiOkudaira

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