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偽グーグル

「毎朝新聞」という新聞をご存じだろうか。
多くの方が、名前を聞いたことはあっても、実際に購読したことはないと思う。
なぜなら、これはテレビドラマなどで頻繁に使用される架空の新聞の名称だからだ。(実際には徳島県の毎朝新聞社が同名の新聞を発行しているそうである)
フィクションの世界では、様々な理由で架空の名称が用いられることがよくある。
これらはいわば記号であるわけだから、作り手としては適当に作ることも出来るはずだ。しかしだからこそ、そこに作品の特徴・個性が出てくるのではないだろうか。
今回は、そんな「架空のもの」の中でも、僕の好きな検索サイトにまつわるものを紹介します。


1. Gorgle

これは、フジテレビで2014年秋に放送された『素敵な選TAXI』の一場面である。バカリズムの脚本であることも話題になった。

この場面は、婚活パーティへの参加を思いついた女性が検索しているところである。検索サイト名はGorgle。ネット上の偽サイトにもありそうな名前で、かなり本物へ寄せてきている。中古マンションの広告が出ているところなんかもリアルだ。
これはかなりスタンダードなタイプなのではないだろうか。

こんな感じで続きます。


2. Boogle


『相棒13』よりBoogle。刑事が、「ホームレスのあの男、どこかで見たことがあるな……」と気づいて検索するところだ。昔はこういう場面で使われるのは捜査資料や新聞記事だったのだろう。最も流行を取り入れてるのは、常にネタを欲している刑事ドラマなのではないかと思う。

このBoogleはやはり2画面も作っているところが贅沢だ。しかも検索画面も検索結果の画面も非常に精巧。画像も出て来て視聴者にも分かりやすい。
検索結果1位には「Webtime」なんていうWikipediaみたいなサイトも出ていて芸が細かい。
さすが相棒、という実力を見せつけてきている。


3. WEB SEARCH! 

フジテレビの月9『デート~恋とはどんなものかしら~』より、谷口巧が自分の父について、交際相手に説明する場面。

WEB SEARCH! という直球のタイトルの下に、丁寧に「Search Engine」とまで説明してくれていて、とても親切。しかもよく見るとURLにもInternetと書いてある。
キーボードが表示されていることからも分かるように、これはタブレットで検索されている点が特筆すべきことである。その点が特殊なので、分かりやすい名前にしたのだろうか。


4. Search

宮藤官九郎脚本『ごめんね青春!』から、父親が勝手に息子である主人公のパソコンで怪しい検索をしようとしていた場面。
よく見えないので拡大をする。

Searchという文字が装飾されているように見える。黒猫やかぼちゃのようなものが見えるので、ハロウィンをモチーフにしているのだろうか。
本家のGoogleではご存じのように、ホリーデーロゴやDoodleと呼ばれる、特別な日に用いられるロゴがある。
Searchがいつもこのマークなのか、この日がハロウィンで、特別な表示であったのかは、確認できていない。(放送日はハロウィンに近かったが)
しかし、装飾されているものは珍しいし、少ししか映らないパソコン画面が作りこまれていると、見つけた時に小さな幸せを感じられる。


5. Loovele

水野敬也原作の同名の恋愛マニュアル本をドラマ化した『LOVE理論』。キャバクラの店長・水野愛也(片岡愛之助)からクラブに行くように命じられた主人公・今田(大野拓朗)が、どんな服装で行けばよいかを調べるために検索をしている。

GoogleとLoveをかけていて、もはや何と読むのかも分からない。無理やりすぎる。でも、なんとなくGoogleぽいな、と分かってしまうところがすごい。真ん中にoが二つ並んでれば我々はGoogleと認識してしまうのではないだろうか。
Looveleは無理やりだが、個性的なドラマなのでそれも合ってるな、と思わせるところがある。その点は、マークパンサーを検索単語に盛り込んでいるところからもおわかり頂けると思う。


6. BinGo!!

アニメ『寄生獣』より、主人公泉新一が、寄生生物・パラサイトについて検索をする場面。画像検索をしている。

名称からすると、検索エンジンのBingを元にしているようで、珍しい。渋い。よく見るとブラウザもタブの形がInternet Explorerぽい。
アニメであるせいか、ドラマとはまた異なった傾向があるのかもしれない。


7. 番外編 Googol

bosskitterというTwitterクライアントがある。
これは、Googleの検索画面のような表示でTwitterができるという、Google好きにはたまらないクライアントなのだが、ここでは表示はGoogolとなっている。
上司に隠れてTwitterをする不良社員支援アプリとのことなので、より本物に近い名称がよいのは間違いないだろう。
Bosskitter:http://bskt.yubais.net/


以上です。
テレビ画面を撮影したものが多く、見づらい点は申し訳ないです。
Yahoo!の亜種がなく意外だった。架空のヤフーとして語呂がよかったのに。
またたまったら、報告します。

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