本の名前忘れたけどカナリ良書。うまくいかないときの原因は何かを説いた本。(仕事だけじゃなく)

【本書の結論】
事業が上手くいかないときは、
「①純利益」「②ROI「③CS」に直結するボトルネックを見つけ出して生産性を改善するべき。

【企業の目標を考える】
多くの従業員は仕事に対しての視座が低く、
「純利益」「ROI」「CS」に直結しない無意味な業務改善(生産性の改善)を繰り返す。

会社の目標は何か?ただ目先の業務を改善すれば良いのか?
社長のAさんもパート主婦のBさんも、立場は違えど企業の目標に近づくための仕事をする必要がある。

つまり
「純利益」の増加。
「投資対利益」の増加。
「キャッシュフロー」の増加。
上記3つを指標にして、全ての従業員が働く必要がある。これが本来の企業の姿。

でも、果たして主婦のBさんが、キャッシュフローを考えるだろうか。
投資対利益を考えるのだろうか。キャッシュフローを考えて仕事をするのだろうか。

パートのBさんが考えることと言えば、せいぜい業務の効率化や生産性の改善くらい。
つまりレイヤーが違うと、必要のない目標(業務の効率化や生産性の改善)を立て始める。

どの従業員も「お金を稼ぐ、儲ける」ために
「純利益」と「投資対利益」と「キャッシュフロー」を考えるべき。

とは言っても、Bさんが気にする「作業効率」とか「生産性」のような、目先の指標も大事なのも事実。
「見ている視座が違うと掲げるべき目標がズレてしまう。」問題をカバーする指標が存在する。

それが「スループット」「在庫」「業務費用」という指標。この指標を目指せば、視座の違う人材でも同じ目標に走れる。

【スループット/在庫/業務費用とは何か?】
①スループット⇒販売を通じてお金を創り出す割合。
②在庫⇒販売しようとするものを購入するために投資したお金全て。(※モノだけではない)
③業務費用⇒在庫をスループットに変えるために費やすお金。(※人件費など)

上記3つの指標は、全ての会社や仕事に当てはめることができる。

企業の目標である「お金を稼ぐ」ためには、
「スループットを増やし」て「在庫と業務費用を減らす」こと。

この3つを指標にする際、必ず付いて回る「統計的変動」と「依存的事象」という考えかたが存在する。

【統計的変動/依存的事象とは何か?】
①統計的変動⇒予測し得ない事象。
②依存的事象⇒対象の事象はその前の事象に影響するということ。

【統計的変動と依存的事象の例】
Dがスループットの工程として、工場の生産ラインを例に説明。

A(30分)⇒B(20分)⇒C(25分)⇒D(5分)=合計80分で製造完了
というプロセスがあるとする。

Aの工程が終わらないとBの工程が始まらないことを「依存的事象」と呼ぶ。
Bの工程で使う機械の故障により、80分で終わる生産ラインが、ある日は120分かかってしまった。
「Bの機械の故障」を統計的変動と呼ぶ。

D(5分)の工程がどれだけ早くても、Bの工程が遅れると全体の出荷が遅れる。
この状態を「スループット/在庫/業務費用」の考えに置き換えると、
在庫(Bの通過待ち部品)と業務費用(作業遅れによる残業代等)がかさみ、スループットが減る。と言える。

つまりスループットは、「統計的変動」と「依存的事象」が関わっている。

仕事には何千~何万もの変動要因が存在する。ボトルネックを除去することは、生産性を上げることに繋がる。

【仕事をボトルネックと非ボトルネックに分割する】
仕事にはボトルネックと、非ボトルネックが存在する。

①ボトルネック⇒需要を下回る稼働しかできない仕事。(需要に対する供給100%以上の状態の仕事)
②非ボトルネック⇒需要を上回る稼働が出来る仕事。(需要に対する供給100%以下の状態の仕事)

先ほどの例を使うと、ボトルネックであるBの機会の前には、工程Aを通過した部品で溢れている状態。

この状態でコストについて考える場合「過剰在庫の部品数×原価」で考えてしまいがちだが、
ボトルネックによって生み出されたコストは、以下のように考えるのが正しい。

「総コスト÷ボトルネックの稼働時間=正しい1時間あたりの損失」

これは、工場の生産量は、全体のボトルネック量(依存的事象)に依存するから。

【ボトルネックを解消し、生産性を上げる方法】
①「ボトルネック」自体の生産性を上げる
例:既にAの工程で欠陥品の商品をBに通さないようにする(ボトルネックであるBに無駄な稼働させない)

②「ボトルネック」の負担を下げ、その分「非ボトルネック」に負担を回す。
例:ボトルネックとなる工程を外注する。非ボトルネックでも代替できる仕事なのか検討する。

【ボトルネックを解消すると、次なるボトルネックが生まれる】
ボトルネックの生産性を上げると、非ボトルネックがボトルネックに変わる瞬間がある。
これは、ボトルネックが需要に対する供給100%をきることにより、非ボトルネックの工程の生産が追いつかなくなるケース。

「工程B」の生産が遅い状態だと、「工程C」の稼働力にバッファが生まれる。
余力があるからと言って工程Cの機械に生産を続けさせてしまうと、工程Cがボトルネックになってしまう。

これは非ボトルネックである工程Cを無駄に活用し続けた結果。
時としてリソースをフル活用することが正しいとは限らない。

これらの循環を食い止めるには、論理的ステップという考え方が重要。

【論理的ステップとは】
①制約(ボトルネック)条件を見つける。(どの工程がスループットを遮っているのか)
②制約条件をどう活用するのか決める。(どのように改善するのか)
③他の全てを「ステップ2」の決定に従わせる。(②の改善にフルコミする)
④制約条件の能力を高める。(ボトルネックの生産性を上げる施策を打ち出しまくる)
⑤ここまでのステップでボトルネックが解消したら、ステップ1に戻る。

【まとめ】
①ボトルネックを作らない仕事をする。
②ボトルネックが生み出されたら直ちに改善をすること。また、ボトルネックを把握できる環境を作ること。
③「スループット」「在庫」「業務費用」は全ての仕事に当てはまる。この3指標以外のKPIは存在しない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?