「シンプルに考える」


要約
「あれも大事」「これも大事」と悩んではいけない。
表面的な価値に惑わされず、何が本質か?を考え突き詰めることで初めて大成する。
LINEの社長が自身の今までの体験から得た、本質の掴み方、重要性を説いた本。

▼熱こそが成功の条件
LINE成功の秘訣は、メンバーの仕事に対する熱。この一言に尽きる。
彼らは東日本大震災の時も寝ずに働き続けた。どんな状況でも、熱望しているビジネスマンは成功を手にする。

▼お金を中心に考えない
会社の存在意義は、顧客への価値提供でしかない。決してお金を稼ぐことではない。
利益は結果論。ユーザーに価値を提供し続けた結果にうけとるもの。
LINEはアウトソースしない。理由は明確で、必ず「コストに見合った成果物になるか?」とお金の話がでてくるから。
ユーザーの価値提供を1番に考えた結果、今のLINEは全てを内製化している。

▼仕事は自分で勝ち取るもの
自発的な行動で自分のやりたい仕事をすることは、自身の可能性を広げる。
著者が新入社員として入社した日本テレビでは、興味のない仕事を受け身でこなしていた。
不満を持った著者は自分の好きなネットを活用して新しい仕事を社内で生み続けた。
結果周りに認められ、著者の為に会社側がネットビジネス部署の立ち上げを決意。自分のしたい仕事を気持ち良く没頭することができた。

▼「何もない状態」は最高に鍛えられる
"リソースが足りない状態で結果を出す"ことは最高のビジネス力トレーニングになる。
「ヒト」「モノ」「カネ」がない状態で、結果をだすためにはどうするか?この思考が人を成長させる。
リソースの足りない状態はむしろチャンス。そして、リソース不足の状態で結果が出せない人は潤沢な予算を与えても結果をだせない。

▼やる気のない人材は要らない。モチベを語る時点で3流
企業は社員を「プロ」として雇用する。
結果が出ず、モチベが下がった社員に対して鼓舞するためにプロジェクトを任せることは無い。モチベを語る時点でプロ失格と判断し、降格も視野に入れる。それくらいビジネスは厳しいもの。ビジネスは結果がすべて。

▼守りに入ると攻めることができず大きな失敗をする
今の成功(資産、利益)は、過去の実績によるもの。その事実から逃れられずに大きな攻めに転じれない。
経営者は今の売上が無くなるのが怖いし、資産が飛ぶのも怖い。
筆者はPC向けゲームの会社にいたころ、モバゲーが流行する前に携帯用ゲームサイトをひとあしはやく開発。
しかし、大きな損失を恐れ携帯用ゲーム事業に挑戦しきれなかったことで大きく失敗する。かじ取りに成功したGREEやDNAは莫大な利益を生んだ。

▼事業計画はいらない
インタネーットの業界は変化が速い。
数カ月先のことも読めないのに年間の計画に意味を持たさない。事業計画が変化するたびに社員にアナウンスすると「変化=悪い事」という認識の社員に不満がうまれる。KRのみを伝えて、現場の意思で方向性を変えることの柔軟さがLINEの強さ。

▼クオリティ×スピードを最大化し作り手の自己満を捨てる
スピードを上げるとクオリティが落ちる。これはクオリティの定義をはき違えてる。
LINEというアプリにとって「クオリティ」とはいろんな機能がついた高性能なことではなく、いかにラグ無く意思疎通のできるアプリを作れるか。ということ。ユーザーが求めていること以外はすべて捨てる。
「ユーザーにとって高いクオリティ」を考えることで、スピードと両立できる。

▼ユーザーは本当の声を教えてくれない。
携帯ゲーム利用者に「何故このゲームをやめたか?」と聞いても「飽きたから」と答える。
潜在心理は「課金房にコテンパンにされて嫌な気持ちになった」「ゲームに負けた時にイラついてやめた」と言う理由だとしても「飽きた」で片づける。
とにかくインサイトを深堀しないとイノベーションは生まれない

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