ひたすら自分のやり方で。
リサーチとかマーケティングとか、そういうもの少しは知っていたけれど、なんかしっくりこなかった。
マーケティング•ターゲティング
ビジネスではマーケティングしなさい、ターゲッティングしなさいと言われることが多い。
どういう地域にどういう属性のお客さんがいるのか、どういう客層が見込めるのか。
ペルソナを設定する必要性も知ってはいる。
だけど僕の場合は、その辺をすっ飛ばして、先に場所を決めてしまった。
実際にどういう人が来るかは、始めながら進みながら肌で感じて、その後の展開を決めていこうと考えた。
お客さんは意外な場所から
開店以前から、昼間のみ営業だから、女性の人が多いだろうという予測はしていた。
店の近くには会社もなければ大きな住宅街もない。「カフェでもいく?」そんな感覚で、女性がプライベートでやってくる店。そして大半の人が大牟田近辺の人で、車でやってくるだろうと考えていた。(大牟田は電車も通っているけれど、多くの人が車ありきの生活を送っている地域)
年齢層としては、おそらく30代〜40代くらいだろうか。2人1組、多くても3人1組のイメージだった。
しかしいざ開店してみると、もちろん近隣のお客さんも来てくれたけど、多くが福岡市内や県外からのお客さん。それは自分が福岡市でアルバイト•カレーの出店をしていたからというもの大きかったかもしれない。以前からの知り合いや、その知り合い。また知り合いではないけれど、福岡市からカレーが好きな人が食べに来てくれるっていうこともすごく多かった。
平均年齢も僕の想像とはちょっと違っていて、50代以上の方もかなりの割合でいた。女性が多いというのはそうだったけど、思ったよりも男性の割合も一定数いた。女性と男性のこの2人組っていうパターンもすごく多かったし、1人でいらっしゃる方もいた。
カレーマニアというよりは
あとは、これは予想通りというか個人的な狙い通りでもあったけど、いわゆるカレーを食べ歩いている、カレーマニアの方は少なかった。どちらかというと、カレーが好きではあるんですけど、カレーだけが好きっていうよりも、「食べるのが好き」とか「飲食店に行くことが好き」 さらには「出かけるのが好き」というお客さんたちが多く訪れてくれた。
それは僕自身がそうだったから。カレーの道を極めていたけれど、カレー”だけ”が興味対象かというとそんなことはない。どちらかというと、食べること全般が好きだし、食への興味はカレーやスパイスに限らない。
だからこそ、そんな食べることが好きで飲食店が好きなお客さんが楽しんでくれる店が作れたらいいなと思っていた。
辛くない、優しい味のカレー
ときどきお店の印象をお客さんから聞くことがあって、大きく分けて2つ。
1つ目は味に関して。
これに関してはもう「優しい味」とか「辛くない」とかが圧倒的に多い。丸い感じなど言われることも多かった。
たしかにスパイスカレーと聞くと、多くの人が「辛い」と想像し、次いで「食べれるだろうか」という不安が湧くこともあると思う。
食べるまで想像できない
2つ目が「自分にはない発想」とか「驚きがあった」とかもよく感想をもらっていた。スパイスの使い方についてもそうだし、メニュー構成や食材の組み合わせについて言われたことも多かったように思う。
たとえば、その日の料理のことを書いたメニューをテーブルに置いておくんだけど、それを見ただけでは、どういう料理なのか想像できない。
インスタにカレーの写真を投稿することもあったけど、おそらく見た目の印象と、実際に食べたときの印象っていうものが紐づかないんだと思う。だから実際に来て、その料理を見て食べないと、どういうものなのかがわからない。
その場の思いつきで作ることもあったから、作っている自分でもどうなるのか分からない、先の読めない面白さがあった。
カレーのことも、お店の経営のこともまず始める。それから考える、行動する。
きっと、ビジネスとしては正しくないやり方なのだろうけど、自分に正直に。
ひたすら自分のやり方でやってきた。
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