2月終わり:ほぼ1年講師をやってみての思い

 新卒で小学校に講師として勤めてほぼ1年が経過する。ここ最近で感じていることを自分で整理するために、この文章を書いていく。

 最近一番感じていることは、ざっくり言うと、イライラである。その要因は、色々ある。挙げてみると、自分のできなさ、子どもの行動、先輩からの指導、プライベートのこと、教員の仕事の構造的なこと、などである。日々の生活の中で、色々なことがボディブローのようにじわじわとダメージを与えてきている。そして、その蓄積を最近感じ、イライラという形になって出ている気がする。一つ一つとりあえず文章にしていこうと思う。

 まず、自分のできなさについてである。先週、学級のトラブルへの対応で1から10まですべて間違えた。その出来事をきっかけに自分のエネルギーが底をついてしまった気がしている。ほぼ1年現場にいて、色々なことを経験したり指導されたりしているのにもかかわらず、できないのか、ほんとだめだなあ、と思った。また、授業や学級経営、それら以外の雑務の処理も全く進歩している気がしない。学級の子どもたちの姿を見ていても、粗ばかり目について、自分は何を指導してきたのだろう、もっと指導すべきだった、自分のせいで子どもたちにストレスを与えている、など色々考えてしまう。それで色々な仕事が溜まっていき、時間外労働がどんどん増えていくし、悩みが膨れ上がっていってしまう。

 二つ目に、子どもの行動についてである。子どもたちの行動が年齢のわりに幼稚であったり、何度も同じことを指導しなければならなかったりする。だが、これは私のせいである。私の指導が毎回甘かったり適切ではなかったりする。また、私が子どもを見えていないから、色々なストレスが溜まって子どもの行動に現れている。むしろ、子どもたちは、こんな担任なのによくがんばっている。だから、子どもたちには感謝しているし、尊敬もしている。それでも、私にも疲れやストレスが溜まるし、子どもが思うように動かないとイライラするし、自分のエネルギーをそぎ落とされてしまう。

 三つ目に、先輩からの指導についてである。これは、構造的なところと関わる。学年主任の先生には、見えるところ、見えないところで大変サポートいただいている。大変ありがたい。だが、それでも指導を受けると、イライラしてしまう。理由は、時によって異なるが、主に指導が後出しだと感じるからである。最近は自分ができなすぎて、勉強不足なのがいけないと思い、あきらめている。でも、年度初めの頃は、いきなり担任でほとんど何も知らないまま子どもたちの相手をすることに、違和感しかなかった。この状況で学級を回せるわけないじゃないか、と思っていた。先輩からの指導にイライラするのは、その先輩に対してではなく、そういったシステムで現場を回させる国や偉い人たちに対してである。

 四つ目のプライベートについてである。そもそも仕事に追われて、プライベートの時間をちゃんと確保できない。それが一番イライラする。休日に仕事をしきれなかったことをいつも後悔する。でも普通に考えて、それはおかしい。休日は、休む日なのだから、仕事がないはずである。なのに、休日の仕事を前提にしないと、回せないくらいの仕事量と内容がある。それと関わるのか分からないが、家事をする気力がないから部屋は汚いし、栄養も偏るし、出かけたくない。無気力な状態になる。そんな中で、職場の若手の先輩方が遊びに連れ出してくださる。大変ありがたい。私は、自分に自信がない。自分なんかがいていいのだろうか、でも誘っていただけるから、とりあえずいてもいいんだ、みなさんが楽しいと思っている場を作り上げる要因の一つに自分もなれているんだ、と思って少し心が安らぐ。あとは、自然な自分で雑談できる相手がいないので、会話が職場でしかほとんどない、というのも辛い。

 ここまでいろいろ考えて思っていることがある。それは、今年度の経験を今後の教員生活や人生の糧にしたい、ということである。結局のところ、根本的に自分の力量が足りないというのが、イライラのシンプルな理由である。だから、まだまだ失敗できる年齢であるし、仕事が楽しい楽しくない以前に、色々な幅や弾力性をもった人間に成長したいと思う。そのために、つらいけど頑張ったり頑張らなかったりして、そういう行動すべて自分やいろいろな他者に還元したい。また、来年度は、闘争心を蓄えるためにサッカーを再びやりたいと思っている。子どもへの対応以前に、色々な人間への対応がめんどくさいと思っているし、何をやってもちゃんと楽しめない人間であることが嫌だ。だから、サッカーを通して、もっと人間味を表に出していきたい。

 あと、一か月すると、別の場所に異動になる。また、立場も講師から教諭に変わる。今のままでは、成長できないと思っているし、今の職場の環境に甘えているとも思っている。だから、異動はどちらかというと楽しみである。でも、これ以上大変な思いをしたくない気持ちもある。教員をこの先ずっとやり続けるのか、決め切れていない。一方で、地元に戻って教員をやりたい思いもある。この年度末の時期、特に新卒1年目の終わりの時期に、自分なりに複雑な思いが溜まっている。学級や自分の状態がどんなになろうとも、あと3週間ほどで今の子どもたちとお別れである。ほんとにこの子どもたちを1年目にもててよかったと思う。また、今の職場の人たちにめぐまれてなんとかここまで走ってこれてよかったと思う。ほんとに感謝である。でもだからこそ、自分のふがいなさが際立つ。この悔しさやみじめさを今後のパワーに変えて生きていきたい。

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