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ただ、そこにいること

何年ぶりかで以前の仕事仲間から連絡があり、久しぶりに再会。
しかし、きっかけは彼女の身内に不幸があり、ショックや落ち込み、情緒不安定で助けて欲しいとのことから。
なにか直接助けになるようなことは出来ないけど、会って話すくらいならと返事をすると「それでもいい」とのことで会うことに。
再会すると一見普段と変わらない印象だったけど、理由を聞くとやはり相当の落ち込みを感じる。
こちらからは催促や余計な詮索はしない。
ただ、彼女が話したいことだけを聞く。
あとはお互いの近況や昔話を少し。
会った時よりは少し雰囲気は柔らかくなったように感じたが、無理に気丈に振る舞う必要もない。
沢山泣いて、沢山悲しんで。
沢山思い出して。
沢山感謝して。
沢山これからを悩んで…

僕はただ、そこにいることしかできない。
話を聞くことしか出来ない。
こういう時は、気の利いたことも言えないし、こちらも言葉がなかなか出てこなくなる。
それでも彼女にとっては良かったみたいだった。
会えて良かった、話せて良かったと。

僕は何も出来ない。
ただ、そこにいるだけ。
ただ、そこに僕という存在が在るだけ。
それでも、ありがとうと感謝を受ける。
それで良い。
そういう相手が、お互いが、そういう相手であることに意味があるのだ。
いること
在ること
それだけでも人は尊いものだ。

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