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心の扉をたたく

私の好きなファッション雑誌 "FUDGE" には、毎月「彼女の好きな花。」というコーナーがあって、季節のお花の名前とその花言葉がエッセイ風の素敵な文章と一緒に書かれているんですが、今回の題名にある「心の扉をたたく」という言葉もそのページから教わりました。鮮やかな黄色と可愛いまんまるのお花が印象的な、クラスペディアの花言葉は "心の扉をたたく"、”永遠の愛”、”個性的”。

私について、ちょっぴり。

私は今、20歳の大学生で、小さい頃からずっと変わらず好きなものが3つあります。人間と、アートと、言葉です。人間は、憎かったり、うざったく思えたりすることもあるけれど、なんだかんだ結局、そういうのも全てひっくるめて面白いと思うし、なぜか憎みきれない愛しさを持っているから好き。アートは、日常の色んな所に隠れていて、誰でも作り出せて、そんなに簡単で身近なものでありながら、私たちの心をパッと明るくしてくれるから好き。言葉は、時には人を殺すこともあれば、救うこともある。そんな、計り知れないパワーを持つ、ときに恐ろしいもの。でも、優しくて美しい言葉の使い方をする人がこの世界にたくさんいることを私は知っているし、彼らに言葉の奥深さとあたたかさを教わってきたから、だから私は言葉が好き。

半年ほど前。今までの人生で1番自信を失う出来事があって、私は、言葉と人間を信じられなくなりました。自分という人間を疑い始めてしまったせいで、私から出てくる言葉全てが、信頼に値するものでないような気がして、苦しかった。でも、自分の中にあるものの全てを信じられなくなったことで、冒頭に書いたクラスペディアの花言葉に心が惹かれるようになったのかなって。そんな風に思ったり、します。

"心の扉をたたく"

もしかしたら私は、難しく考えすぎていたのかもしれません。あるいは、あまりに傲慢だったのかも。心の扉をたたいてみて、気づいたことです。

私は、他者や世界に対して思っていたよりもはるかに不誠実であったことに対して自分は悲しんでいたのだと思っていました。でも本当は、人間誰しも不完全であるのは当たり前で、大事なのはそれを本人が自覚し、認められているかなんだと思います。私は分かっているようなつもりで、分かっているふりをして生きていたけれど、少しも分かっていなかった。人間は、私は、完璧ではないし、完璧にはなりえないということ。もっといえば、全ての自分の欠点を認識できるほどに私は完璧ではないということ。それをちゃんと心に留めておくことの大事さが、少しだけ理解できたような気がします。ソクラテスの「無知の知」とはこれにちょっと似ているのかもしれないな、とも。

その前提の下で、もっと自分の「~したい」とか「~が欲しい」という声に従ってみても、なんの悪いこともないのだということ。もうひとつ、私が教わったことです。理想や志に向かって努力することはまぎれもなく大切だけれど、まだ目標に向かって進んでいる途中の自分が、理想の姿と重ならないのはあたりまえ。修業中の身だからといって、自分になにもかも禁じなくても良いんじゃない?足りないところに固執していないで、もっとシンプルに、純粋に、やってみたいと思ったことを試してみなよ!…と、クラスペディアが私に呼びかけてくれたように感じます。

私はまだ本物のクラスペディアにはお会いしたことがないけれど、いつかどこかで見かけたときには、きっとひと目惚れしちゃいそうな予感…!笑

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