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SIX 2019

ABEJA主催のAIカンファレンス「SIX 2019」。最近は、ABEJAの名前を目に耳にする日が増えてきていて、SIXに友人も関わっているというのでDay 1「“技” Developer Day」に参加してきました。

技 基調講演

ABEJAの緒方 貴紀さんによる基調講演。
2018年のAIにおける"技"とABEJA PLATFORMの振り返り。
2019年のアップデート"ABEJA Platform Accelerator"、R&Dの紹介。

2018年のAIにおける"技"
fast.aiでより高速に、BigGANで高精細な画像生成が可能に。

"ABEJA Platform Accelerator"
データをアップロード、アノーテーションして、AIモデルを選択し、学習ボタンを押すだけで評価結果をレポート

R&D
Annotation:事前推定機能によりアノテーション時に推論結果が事前表示
MLaaS:External Netによる少数データによる高精度モデル開発
ABEJA Platform:インフラの知識がなくても誰でも手軽に分散学習を可能に

ABECOIN
ABECOINは中国・深センでの何でもQRで決済できる体験により実現に至った。SIX会場で必要なハードウェアもL2レベルから自作。今後は社内でキャッシュレスが実現できるか実験。

**EngineerからTechnopreneurへ

〜AI時代における21世紀のリーダーシップ論〜**

ABEJAのタグライン
ゆたかな世界を、実装する
テクノプレナーシップの想い

テクノプレナーシップをベースにしたリーダーシップ論について、ABEJAの岡田さん、アイ・エス・エルの野田さん、コーンフェリー・ヘイグループの山口さんによる対談。モデレータにオーバーキャストの大林さん。

テクノロジーが主観ではなく、人が主観であるからこそリベラルアーツの考え方が必要になってくる。
リベラルアーツは、人間という存在がどういう存在で、どんな欲望や矛盾や葛藤を抱えているか、社会を未来を考察するときのフレームワーク。
未来を洞察するスキル教育であり、社会学、教育学、哲学などがインプットとなって人間を理解するという目的のもと繋がってアウトプットされる。

自分をリードする
 自分は何者で、何のために生きているかを問いかける
他の人には見えていない1%の未来を見る
 Connecting the dots:社会や人間を動かす欲望を理解する
自分の志がみんなの夢になる
 共感性がないといけない
 真善美的な人間の理解を得られる価値観がないといけない

テクノロジーやアントレプレナーシップについての議論よりも、リベラルアーツはどういうものかについて、全ては書きつくせなかったが、登壇者それぞれの経験と言葉で語られていた。対談中、ライブでグラレコが投影されていたのだけれど、対談の要点をまとめながら、イラストでアウトプットするの最強だなあと思った。JAWS DAYSでグラレコを初めて見て衝撃を受けたけれど、グラレコができる方をイベントに呼んでアウトプットしてもらうというのもいいかも。

機械学習におけるクラウド利用のポイント

AWSの針原さんと宇都宮さんによるクラウドを利用して機械学習を行う際のメリットとポイント、典型的な機械学習のワークフローについて、AWSの提供する機械学習スタックを利用した実現方法を紹介。

ABEJA Platform on AWS
ABEJA PlatformもAWS上で動いている。

学習データをS3上にアップロードし、学習した結果をS3に出力するという流れが基本で、ABEJAはEC2上で学習しているが、Amazon SageMakerを使用する場合も基本の流れは同じ。

典型的な機械学習のワークフローは、できるだけ高速に負担なくこのサイクルを回したい。

このサイクルを実現する構成例。

機械学習に活用したい事例において、まずやってみるよりもこのワークフローを実現するデータを集めて、どのような学習が必要で、どのように評価するかをあらかじめ流れを整理しておいた上で、用意された機械学習スタックで事足りるのか、機械学習の効果が得られるのかを判断することも必要だと思っている。(後述のマスクド・アナライズさんの出川サイクルとは反するけれど)

少数データからの学習法の展開とABEJAの取り組み

ABEJAの藤本さんによる少数データからの学習法について、最近の研究の展開と、ABEJA Platformでの今後の活用について。

機械学習のプロジェクトは、高コストな検証の結果、プロジェクト終了のリスクがある。素早くデータを収集し、高速なモデルを生成、即座に結果を検証できるシステムが望ましい。そのために少数データからの学習が可能になるとプロジェクト初期のコストを下げて、リスクを大幅に低減できる。

「これが欲しい!」を直ぐに実現できる

誰もがモノを作れるようになることで、創造的なプロダクト・サービスが溢れる社会にしたい。

少数データからの学習のためのアプローチ。
Data Augmentation:画像を加工し、擬似的にデータ量を増やすアプローチ
Transfer Learning:異なるデータセットで学習した結果を再利用する
Meta-Learning:タスクの学習の仕方を学習する

Transfer LearningにおけるFinetuningの方法と課題。
<Finetuningの方法>
1.ターゲットとは異なる、手に入れやすい大規模データを使って事前に学習を行う
2.ターゲットのデータで最終層のみを学習する

<Finetuningの課題>
事前学習の特徴に特化され、中間層の時点で必要な情報が消えてしまう
(最終層まで分類に必要な情報が来ない)

提案手法1:External Network
中間層の特徴を利用し、外部のネットワークを再学習
実問題に取り組む上で重要な「不均衡データ」「クラス追加」の課題を解決可能
不均衡データの学習方法:データ数に応じて、External Networkのサイズを調整
クラス追加への対応:追加クラスの分だけ学習すれば良い。新しいクラスのラベルが付いている画像だけ、追加で学習すれば良い

提案手法2:MAML with External Network
Finetuningをしやすい特徴抽出方法を学習
・直接既存の特徴を使うだけではなく、Finetuningしたら上手く学習できる事前特徴を抽出することがポイント
・External Networkと同じ構成で、データが追加されたら通常通り学習することで、同じネットワークで精度を向上させられる

 External NetworkがABEJA Acceleratorでも利用可能になる予定!

機械学習を活用してみようと思った課題があったけど、アノテーションは結局人手で人的コストがかかるし、少数データでできるなら実用性あるかも、とちょうど思ってたとこだったので、気になるテーマでした。細かなところはなかなか理解は追いつかなかったけれど、精度にそこまでこだわらなければ、すぐにでも利用できるシーンはありそうだし、今後の動向に期待したいです!

徹底討論 : AI導入・運用を加速せよ、40分一本勝負!

マスクド・アナライズさんとABEJAの岡田さんによるAIタイトルマッチ。
レフェリーにパラレルマーケターの小島さん。
入場からプロレスムード満載です。

マスクド・アナライズの主張にガートナーが追認。

有名AIベンチャー(ABEJA)にAIを頼むときは、予算を1億円確保しておかないと門前払いする。
というマスクドさんのツイートを紹介。本当の話だそうです。

優秀なAI人材確保も、AIパートナーと一緒にやるにしても、それなりの対価は必要。チームとして同じ会話ができないとそれもコスト。エンジニアだけじゃなく、他の役割のメンバーも一緒に揃える必要がある。
AI導入の効果を語らないと稟議が通らないならやらない方がいい。
クラウドの黎明期もサブシステムに入れても効果は出なかったが、AIも最もコストをかけている本体に入れるべき。

技術検証だけのPoC止まりが多いが、目的が曖昧のまま、どれくらい制度が出ればいいか決めずにやっている。99.5%出たからこれでできるビジネスでできることをしようと判断しないと進まない。ビジネスのディシジョンができる人がAIを理解し、判断できることが重要。

ニッポンのスゴイAI導入における"PDCA"サイクル
AからPに進まないのでサイクルしない。。。

出川サイクルによるAI導入
AmazonではFail First。早く失敗しろという考え方がある。
技術者やパートナーに頼るだけじゃないく、まず自分で勉強してやってみてほしい。

AIにおけるPDCAサイクルも出川サイクルも、AIに限ったことではなく、新たなテクノロジーを導入するときの判断の遅さと裁量権がチームにないところから、日本の企業ではサイクルを回せなくなることが多いと感じる。出川サイクルの文化が企業に組織に根付くところを待っていては進まないから、解決したい課題があって、データが用意できてAIでの課題解決の仮説が成り立つなら、まず自らやってみようと思っている。

参加してみて

AIのこともABEJAのことも少しは知れたかなあと思うけれど、今のAIの現状を知る上で"藝"の方も参加してみたかった。ツイートで、ブログでアウトプットする人たちがいるからこそ、参加できないセッションのことも知ることができる。THE AI 3rdで落合陽一さんが言っていた言葉の中では、AIも社会の課題解決のための一つの使える技術であり、世の中には既に使える技術はたくさんあるから、繋いで使えばいい。ぼくもできる限り技術を知り繋いで使えるようになりたいのだ。

<THE AI 3rdで落合さんが言ってたキーワード>
社会の中の困難についてタスク中心解決を繰り返す
多様化する能力自体を技術でインクルージョンする社会
ビジョンドリブンの開発スタイル
バックキャストアプローチ

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