脳内宇宙戦争。
▶︎脳内宇宙戦争。(雑学編)019
大竹しのぶさんは台本を一度読んだだけですべて覚えてしまう、という話を聞いた事があります。やはり天才は凄いと思うのですが、本来は誰でもが持っている能力なのだそうです。
たとえば夢の中に出て来る人物に全く見覚えの無い人がいたりしたことはありませんか?人が夢を見るのは、その日に見聞きしたことを整理して必要ないものは破棄し、必要なものを残すためですが、実は昼間、横断歩道の向こう側にいて一瞬見ただけの人をあなたの脳は覚えているのです。
小さいおじさんを見たとか、妖精を見たとかいう人が時々いますが、事情を聞いてみると、普段偏頭痛持ちの人が多いようです。以前書いた幽霊を見るメカニズムと同じように脳が刺激を受けたことにより彼らにはおじさんや妖精が本当に見えているのです。歴史上有名な偏頭痛持ちはルイス・キャロルで、彼にも急いでいるウサギの姿が本当に見えていたのかも知れません。
キリスト教徒の中には「傷痕」が現れる人がいるそうです。十字架上のキリストが受けたのと同一の傷が信仰者の体(両手・両足・脇腹・額)にあらわれたもので、十字架のミミズ腫れが手の甲に現れたとか、血の涙が流れたとか、これらも脳が実際に起こしている現象なのではないかと思うのです。
1978年のアメリカであった話です。ギャレッ卜・ポーターという少年は9歳のとき、手術不可能で治癒の見込みのない脳腫瘍に冒されていることを医者に告げられます。しかし両親は諦め切れずアメリカ中の病院を巡りますが、どの医者の答えも同じでした。あるとき癌治療とは関係無さそうな心理療法の医師を知人から紹介して貰う両親。最初は疑心暗鬼でしたが、藁をも掴む心境で治療を始める事にします。
少年が「スターウォーズ」の大ファンだったことを知った医師は、少年自身を反乱軍、癌を帝国軍に見立てて、敵の戦闘機を撃墜する絵を描くよう指示しました。少年は毎日毎日絵を描き続けます。しかし3ヶ月経っても4ヶ月立っても変化は起こりません。でも少年はこの作業がえらく気に入ったらしく、朝から晩まで絵を描き続けました。すると5ヶ月目に病院で調べてみたところ、何と腫瘍が跡形もなく消えていたのです。現在、少年は大人になって健康に暮らしているそうです。
「読書すると擬似体験出来る」と昔から言いますが、最近の脳科学では脳は本当に体験したと錯覚しているということが分かりました。つまり俳優にリアルな状況を与えてやれば、彼らは本気になって泣いたり怒ったり笑ったりするというわけです。演技指導のヒントは脳にあります。
座キューピーマジックHP : http://cupid-magic777.com/
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