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ハーバルセラピスト仲間とカクテルでハーブを楽しんだ夜

お酒は大好きだけど、カクテルバーに行った回数は、20年以上の酒飲み人生の中で数えるほどしかない。その数少ない経験は、どれも夢のような時間だったけれど、その中でも「あれは夢だったのかな」と思ってしまうような場所があった。自由が丘にあった、Bar ALMAJILLO だ。

2016年の夏頃だったと思う。当時、日本メディカルハーブ協会(JAMHA)のシニアハーバルセラピスト資格取得のため、グリーンフラスコ(植物療法を学ぶ人の中ではとても有名なスクール)の講座に通っていた。受講生は、私の他に3名、プラス講師の方が研修として聴講されていた。

メンバーは、甲府から通っているアロマセラピストさんや、教室を運営しつつ植物療法関連の協会を立ち上げた人(しかも3児の母)など多様で、共通するのは、みんな忙しい時間をやりくりして学びに来ているということ。当時の私も、留学帯同による退職を決めて、最後の数ヶ月をめいっぱい働きつつ、プライベートでもやりたいことをやりきる!と決めて飛び回っていた。

そんなメンバーだったので、休憩時間に入れるハーブティーをお供に、講師の先生を含めのんびりトークをする時間はあれど、みんなでランチをしたり、ましてや講座の後にお茶をしたりというチャンスは全くといっていいほどなかった。

でも、誰がきっかけだったか忘れたけれど、「この近くに、ハーブを使ったカクテルが飲めるバーがある」という話が出た時、みんなの気持ちがひとつになったのだ。「みんなで行こう!」 

そこから、日程調整をし、それぞれ仕事や家庭の諸々を調整し、「先にお腹になにか入れたほうが良いよね」と晩ごはんを食べる店を探し、バーに行くというミッションが決行された。東急大井町線沿い、トレインチを抜けたところにある道路を少し南下したあたりにそのバーはあったと思う。バーという雰囲気もあり、ほとんど写真を取らなかったけれど、何枚か写真が残っていた。あぁ、間違いなく、あのバーはあったのだ。

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ここでいただいた「ハーブを使ったカクテル」は想像を超えた作品だった。


桃とエルダーフラワーとディルのカクテル

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想像以上に豪快なディルだけど、この量だからこその香りを楽しみながら、桃とエルダーフラワーの甘さを堪能できる。


桃と日本酒のカクテル(緑色の模様に見える部分は抹茶パウダー)

爽やかでスイスイ飲めてしまう。桃と抹茶を組み合わせるという発想は全くなかった。

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西瓜とタイムのノンアルコールカクテル

これは、今になって見返してみると、アメリカ生活中にハーブウォーターを色々試した中で、合う!と思った組み合わせそのまま。タイムは、スイカなどの瓜系の果物や、いちごといった、ちょっと青っぽい香り(言い方は悪いけれど青臭さをイメージしていただければ)を持つ果物によく合う。今ならわかるけれど、当時はびっくりした記憶がある。

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この他にも、写真にはないけれど、ミョウガを使ったカクテルもあった。おそるおそる飲んだけど、夏らしさ満点でおいしさにびっくりしたことを覚えている。


本当に素敵なバーで、「試験に合格したら、またお祝いで来よう!」と約束をして別れた私たち。しかし、その約束は果たせなかった。シニアハーバルセラピスト試験結果が出る前に、このバーが閉じるという知らせを効いたからだ。

もともと多忙な受講生である私たちは、さらに試験勉強も加わったことで、閉店までに再訪するという願いも叶わず、ここに行ったのはたった1回だけとなってしまった。

小さな店で、客は私たちだけ。そんな中でもてなされる、想像を超えたアルコール・果物・ハーブのコラボレーションカクテルたち。行きたいと願っっても、もう行けない場所。だからこそ「夢のような場所」だと思えてしまうのだ。

でも、今回、「#ここで飲むしあわせ」投稿コンテストの概要を目にした時、ぱっとこのバーのことが頭に浮かんだ。あの夢のような時間は、ハーブの学びとともに、ハーバリストとしての経験に、しっかりと刻まれている。それがなんだかとても嬉しい。

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