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読書日記『蒼き山嶺』 馳星周

久しぶりの馳星周。

コレね、何が読みやすいって登場人物が基本3人、後半ひとり増えて4人、遠目にかすかに見える人たちを加えたとしても6人。
むしろ、雪山登山の方法や持ち物用語が難しかったです。登山好きにはグッと来る話なのではないでしょうか。

主人公の「私=得丸」は大学時代、山岳部に所属していた。
社会人になっても山で働きたい、と長野県警に入り山岳遭難救助隊となった。
しかし、交番勤務の異動が出されたのを機に警察をやめ、現在は山岳ガイドをしている。
冬の終わり、白馬鑓(はくばやり)温泉近くの残雪を確認した帰り得丸は、残雪期の山を登る体力がないのに不自然な大荷物を背負い、単独で山を登って来る男を見つける。
この男がかつては「私」と大学の山岳部に所属し、共に山々を登った親友、池谷博史だとわかり、得丸は彼のガイドを引き受ける。
池谷は大学卒業後、警視庁公安課に勤務していて、「私」から今回の雪山登山の理由を聞かれると「少し余裕の持てる部署に配置換えになったから、久しぶりに登山をしようと思って」と答えた。

ここから二人の登山が始まるわけですが、池谷の目的は決して雪山登山ではなく、日本アルプスを越えて日本海に出ることだった。
その理由は・・・。

何度も書いてしまいますが、この小説は登場人物が少ないし、複雑に絡み合う事象もないので、読み進めるにつれてどんどん登場人物が増えてくるストーリーが苦手な人にはぴったりです。

雪山と旧友、池谷を狙う刺客とでスリリングな展開を見せてくれます。
が、私としては終盤で長野県警がヘリを飛ばす、ぐらいの派手さが欲しかったな、と思いました。





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