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手を繋ぐ

娘が小さい頃
手を繋ぐとかならずといっていいほど
娘がいう
「ねぇ ぎゅっとして もっとぎゅっとして」

そのたびに
娘の手をギュっと握りしめる

それでも またしばらくして
「ぎゅっとして」 という

どうしてこう何回も何回も言うんだろうか?
「ギュっとしてるよ。どうしたん?」
そう聞いても
ぎゅっとしてほしいの としか言わない

今になって知った
あのときの理由

 ちょうど、電車の吊り革を持つ時のように
 私が力を込めてママの手を掴んでいないと落ちてしまいそうになってたの
 ママとずっと手を繋いでおきたいけど
 私が頑張ってにぎっておかないと
 手が落ちちゃう 
 ママがね 私の手をぎゅっと持っててくれてたら
 私はらくに手を繋いでおけたの

 

15年ぐらい経った今
娘はあの時の気持ちを話してくれた
そうか そういうことだったのか
  
あの時のあの場面に戻って
娘の手が抜け落ちないように
ぎゅっと握りしめながら言ってあげたい
「大丈夫よ 離れないようにママがずっと繫いでいるからね」

たまらなく愛おしい気持ちになった


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