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チャーハンは美味いよな

久しぶりの更新だ。そこそこ長い文章を書こうと思っているといつまで経っても更新することができないので書く時間は少なめに日々の雑感のようなちょっと短めの文章にチャレンジしてみようと思う。

最近,違和感を感じていることがある。「セブンイレブンの〇〇は美味しいよね」というような有名チェーン店の商品をおすすすめしている人たちだ。自分が美味しいと思ったお店の食べ物,若しくは自ら作った自信作をおすすめすればよいはずなのに,あえてコンビニやチェーン店の商品をおすすめしているのだ。書いているうちに思い出したのだけれども,十年以上前にSNSで定期的にマクドナルドのセットを写真に撮ってアップする人がいたが,あれは一体どういった思いでアップしていたのだろうか?...あぁ話が脱線してしまった。その話はよいとして最近は「どこどこの〇〇は美味しいよね」と知る人ぞ知るお店や人気店をおすすめするのも嫌味たらしく感じられるという理由からか,あえて誰でも利用することのできるチェーン店をおすすめする風潮にあるのだろう。TVの影響か?それともSNSなどでインフルエンサーが大手企業などから依頼を受けて紹介することに影響を受けているのだろうか?若しくはたくさんの人たちから共感を得る為に誰でも手に届くようなものをおすすめているのか?うーん理由はいろいろとありそうだ。もともと売れているチェーン店をさらにおすすめすることで一極集中になってしまい個人店などの小さなお店がやりづらくなってしまうのでは?と僕は勝手な心配をしてしまう。

そんなことを考えつつも百間は一見にしかずということで色々な人たちがおすすめするものをコンビニで買ってみることにした。たしかに美味しい。しかし「今夜はコンビニ飯にするか」とリピートする気分になれるものはなかった。否定しているのではなくて,忙しくて時間がないときはコンビニで購入するのかもしれないけれども,そもそも時間がなければ家にあるもので適当に済ませてしまうので,そのような選択は僕にはない。とはいえ仕事先などで時間がないときにはコンビニで食べ物や飲み物を購入する。"便利さ"という意味においてはコンビニを使うことはある。もちろん昔に比べて味のレベルは上がっている。しかし,わざわざ誰かにすすめるほどのものはないのではないか?と思っている。

否定的な言葉ばかりを並べていてもしょうがないので前向きに考えてみよう。コンビニチェーン店をおすすめするということに変わる代替案はないだろうか?この先どういったものをおすすめすることが好ましいのか?コンビニチェーン店でも人気店でもない,僕には答えが一つある。ある時,再放送でYMOが出演する番組があるということでTVを観ていた。ある場面で細野さんがコントらしきものをやっていたのだけれども,そのときのセリフが忘れられない。何と言っていたのかというと「チャーハンは美味いよな〜」だ。ちょっと1年前くらいのことなので細かいセリフは間違っているかもしれないけれども,コントの中でたしかそのような言葉を発していた。僕はその言葉に心を打たれた。コントの現場に準備されたチャーハンは多分どこかのお店が準備したものか特別なものだろう。しかしただ「チャーハンは美味いよな〜」の一言なのだ。一般的に何かをおすすめ場合どこどこのお店の〇〇という風に言うだろう。もちろんコントの設定上「どこどこのチャーハンは美味いよな〜」というセリフがそぐあわない場合があることはわかる。しかし僕はそのシンプルな言葉に懐の深さというか何か宇宙のような壮大さを感じてしまったのだ。その深みはどこからきているのだろう。どこどこのという固有名詞を使わずにチャーハンという一般名詞のみを使うことで,この世に存在する全てのチャーハンに対しての愛情を感じた。そしてあらゆるチャーハンに対して平等だ,他のチャーハンと比べることをしない。これはもしかして究極の表現方法なのではないだろうか?ちょっと大袈裟だけれども言わせてほしい。これからの時代はこうだ。細野さんのように「〇〇美味いよな〜」と食べ物に対して一般名詞を使うのだ。おすすめする人に想像力を駆り立てることができるし,比べることをしないため争いが起きず誰も傷つけることをしない。あまりにオーバーに言い過ぎなことは百も承知であることはわかっているが,これからは"食べ物を一般名詞でおすすめする"ということをできるだけ推奨していきたい。

ということで,いつもとほとんど変わらない長さになってしまったが今後はできるだけスマートに文章をまとめるようにしていきたい。

※画像は惜しまれつつも2017年に閉店してしまった武蔵小山の老舗「自慢亭」の焼きそば

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