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巷で耳にする流行り言葉

最近“ソフト老害“という言葉を耳にした。何やらまた新しい言葉…

ソフト老害とは,
職場で上と下の間に入りバランスを取るポジションで、自分は、上のプライドを傷つけず、下の意見をうまいことまとめたつもりでも、下の世代から見たら、その行動が老害に見えてたりするということに気づき、それをソフト老害と名付けました。(鈴木おさむ氏のXのポストより)

という意味らしい。

ネット意見の多くはー「それはよくわかる!」もしくは「ソフト老害にならないよう気をつけます!」とあった。なかには間に立つ人間が下の者にやさしく寄り添おうとする行為(バランスを取ろうとすること)が逆にわざとらしく見えて下に嫌われるんだという意見もあった。

さまざまな考えがあるなと思いつつも,ぼくなりにちょっと考えてみた。この話では間に立つ人間が下の者に対してどう振る舞うべきか?ということが語られている。間に立つ人間が上の者にどう振る舞うべきかということはあまり語られていない。敢えて距離を取りもうちょっと客観的に考えてみた。

そもそも,この話は「上の立場の発言が絶対的な力をもっている」というトップダウン型の組織の構造だからこそ生まれてくる問題なのでは!?と思った。上の立場の人間が下の立場からちゃんと意見を取り入れることができるボトムアップ型の組織ならば,そういった問題は少なからず出てこないはずだ。
そして,もう1つは組織の人数の多さによって生まれる問題だということ。少ない組織では間に立つ人間が少なくなる,もしくは間に立つ人間がいないのでこの問題は発生しない。

何はともあれ,どういった文脈でソフト老害という言葉が使われているのだろうと思い,話題の彼の本のレビューをいくつか読んだ(本当は書籍を購入すべきだとは分かっているが…文脈を知ったら知ったで言いたいことが増えたのだけれども,今回は割愛したい
)
そしてふと本の画像を見ると表紙の帯にはソフト老害という大きな文字が印刷されていた。

こ,これは…もしかして…

”ソフト老害“という単語はとてもキャッチーで引きつけられる。帯に大きく載せているということは,少なからずこの単語に力があるということは自覚的であるはずだ。もしかすると,この単語の本質を解き明かしていこうというのは二の次で,多くの人たちの共感を得そうな体験をうまく言語化し,話題性を作ることが目的なのではないか?本をより多く売るための商売的なキャッチフレーズに過ぎないのではないか!?

ががーん。そっと携帯を閉じた。
ソフト老害についてまじめに考え,長い時間を費やしてしまった。ぼくは“ソフト老害”という単語に足元をすくわれたような気分になった。

それは極端すぎる,大袈裟だ。それはわかっている。ただぼくの妄想であってくれることを願いたい。

#ソフト老害


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