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◆虎に翼、表向き穏やか、透明化されるものは

(2024/04/22 21時追記)

寅子は無事に女子部を卒業。
法学部に進学だ。
お祝いの席、直道と花江は子を授かっていた。直道が抱っこしてあやす。


あ。優三は今年もだめでした。
応援しているよ!


女子部を卒業してからの法学部。
地獄の入り口にたったと激励するはるさん。
弁護士法は改正されて、弁護士資格の取得は男子のみという規定が改められて、女性も取得することができるようになる。


入学式を終えて、意を決した六名は法学部へ。
涼子の薫陶を受けて、たまは英語を覚えている最中。
出迎えた優男の花岡悟は「ごきげんよう」と笑顔で迎えいれる。


以前、女子部を魔女だなんだと聞くに堪えない幼稚な茶々を入れた男、小橋がいるが、花岡は「注意しておいた」と言い、男は表面的にであるが謝罪してみせる。


女などと見下して「男と女がわかりあうことはない」「男は国を作り、女は家庭を守る」などという男、轟もいるが、花岡はその主張の幼稚さを具体的な歴史を踏まえて「きみがごくわずかだという女性が、いまここにいるのだ」と指摘さえしてみせる。


六名を相手に「あなたたちは開拓者だ」と伝えてみせた花岡は率先して、六名に歩みよる姿勢を見せる。
その裏で花岡の言うとおりに振る舞う小橋に轟は「おい小橋、だれにやられた!? どうした!?」と問いつめている。


物腰柔らかく、丁寧な言葉遣い。
花岡は表面的には問題のない優男。示す態度も言葉遣いも丁寧。
授業で最前列を女性に譲ってみせ「僕らが前だと見えにくいだろう」と気を遣ってみせる。


図書館で過去の判例をふり返りながるときでさえ、議論が白熱することはあれど、揉めることはない。
授業の合間に梅子が持ってきたおにぎりを全員で食べて、ほっこりするくらい毎日が平和だ。


花岡がハイキングを提案。
轟が「女には無理だ。足が遅い」と嘲笑し、よねが「お前よりも早く登ってやる」と言い返す。
それさえ、かつての剥き出しの衝突と比べると、ずいぶんと穏当に収まっていく。


一見すると問題の刺激が低減されたであろう「やさしく穏やかな世界」だ。そもそも問題など、まるでないかのよう。


そんな折、穂高が特別講師を連れてきた。
民事訴訟の専門家、弁護士の大庭である。
さらに大庭は「家内の梅子がお世話になっています」と挨拶。

訂正します。
21時41分に他の方の感想を見て見直したところ、間違えていました!

大庭は「家内の梅子がいつもご迷惑をおかけしております」と言った。
はっきり言った。
え。聞き間違え? 

穂高の紹介で「やめてくださいよ、専門家だなんて」と言ってから、次に自己紹介で最初に言うことが「家内の梅子がいつもご迷惑をおかけしております」なの?
なんで?
は!? え!?
穂高がいて、長く学生生活を共にして研鑽する学生たちがいるなかで、専門家として紹介されたうえで「家内がいつもご迷惑を」って、本気?
梅子さんをさげる必要ないだろう。なんにもない。
お世話になっております、の挨拶でいいのに。え? うそでしょ?


思わず寅子たちが同じ大庭姓である梅子を見た。
(そりゃあ見るわ!)


出た。すんっ!

明日に続く!


表面的に寅子たちと男子学生の橋渡し役を担う柔和な花岡から漏れ出る、統制と支配に向けた行動力、その欲と傲慢さに無自覚そうな雰囲気に脳内警報がけたたましく鳴っている。
自分は正しい、だから行為するというタイプに見えてならない。

自然と男たちが花岡を中心にしているところも、だいぶ危うい。
たぶん周囲の男たちは轟ほど表に出さず、轟ほど偏見を強く考えることもなく、なんとなーくふんわーりとお山の大将である花岡を担いでいるのではないか。
これはこれで、ボクの先入観に過ぎないのだが。


花岡に比べると小物の小橋。彼は花岡には頭があがらなさそうだ。
花岡と小橋の関係性や男たちの社会の力関係について、恐らく轟はよくわかっていなそう。彼はよくもわるくも素直で「おにぎりおいしい」と思ったら言っちゃうタイプだ。無邪気に偏見を事実だと思っているだけのタイプに見える。


今回は大庭が出てきて梅子が「すんっ」で終わるので、まず大庭を用いた梅子についての掘り下げになるのだろう。


いずれにしても、恐ろしい。
表面上は「俺たちはわかっているから」と上から目線で与えた居場所で穏当に「お前たちにとってやさしく問題がないよう」振る舞って見せているだけ、というところから、モラルハラスメントのように支配欲や加害性が露わになる瞬間がくるのではないかと身構えてしまう。


実はただの柔和な男でした、で終わるのか。
やさしさや懐柔を利用した支配型の存在として、花岡が馬脚を現すのか。
目が離せない。

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