デザイナー3名でコマ撮りPR動画を制作。キュービックの「手触り感」を表現する中で学んだこと【新卒デザイナー】
こんにちは!キュービックUIデザイナーの三浦 菜緒(@sakusaku70_2)です。22新卒として4月に入社し、自社メディアのUI改善やグラフィック制作などを主に行っています。犬とフラダンスが好きです🐶🌴
さて、キュービックは例年デザインシップのスポンサーをしており、今年で4回目となります。
デザインシップではセッションの間にスポンサー企業のPR動画が流れるのですが…
今年は新しくコマ撮りでのPR動画を、社内のデザイナー3名で制作しました!👏
このnoteでは、そのPR動画を完全社内制作した約2ヶ月のプロセスと、その中で学んだことについてお伝えしたいと思います。
なぜPR動画を社内制作したのか?
これまで、キュービックではこちらのPR動画を使用してきました。
CDO篠原さんによるコーポレートロゴリニューアルの際、制作されたものです。
ただ、ロゴリニューアルから約3年。
キュービックのデザイナー組織であるXDC(エクスペリエンスデザインセンター)は、この3年間で人数も領域の幅もかなり成長してきました。
また、2022年4月からCocoda様にて連載をさせていただいており、組織ができるまでやキュービックの仕事のおもしろさを伝えられる機会がありました。
そんな中、
「🗣XDCの関係性や雰囲気などを知ってほしい!」
「🗣組織やバリューだけに限らず、『XDCにいる人』の存在を伝えたい!」
といった声から、PR動画をリニューアルすることとなりました。
そこで、(外注できるほどの費用がちょっとなかったこともあり…)
完全社内で制作しよう!ということに。
制作に関わったCDOの篠原さん(@Topogon)は映像制作の現場に携わっていた経験があり、先輩デザイナーの重田さん(@__shige_tana)は美術大学出身。カメラなどの機材、撮影環境は社内に揃っていました。
普通科大学出身かつ、新卒1年目の私は不安もあったものの…
普段やらないつくりものへの興味や、「できるよ!やってみよう!」と明るく構想を話す篠原さんを見て、「力になれるかわからないけど…やってみたい!」と一緒にワクワクしたのでした🔥
PR動画で実現したかったこと
今回の動画で実現したかったのは、「キュービックを手触り感のある会社と印象づける」こと。
手触り感とは、手作り感、質感、あたたかみなどだと考えています。きれいで整っているだけでなく、人の存在を感じさせるものにしたい、というのが当初からの目標でした。
そこで、テーマを「人が作り出す成長、未来」に決定。
人の手を出演させ、積み木や文房具などを動かしながらモチーフを作るコマ撮り動画を制作することに!
制作のプロセス
改めて、今回のPR動画制作に関わったメンバーをご紹介します🙌
こちらの3名で制作を行いました。
ここからは、私と重田(以下しげたな)さんのコメントを交えつつ、約2ヶ月間の制作過程を振り返っていこうと思います。
✏️絵コンテ完成
XDCのチームメンバーからも意見をもらいながら、篠原さんによる絵コンテが完成。
トマトが潰れて新しい芽が出るという目を引くパート🍅は、特に篠原さんが大切にした「いい違和感」を生み出す部分でした。
「いろんなサービスが生まれては廃れていくが、自分たちはこれからも新しいサービスを生み出し続ける」という意図があります。
🗓スケジュール&タスク確認
制作するパートが定まったので、WBSを引いてタスクの抜け漏れやスケジュールを確認していきました。
自身でスケジュールを引いたのですが、改めてタスク量や10月末の納期までの残り時間を直視して、急に焦ったのを覚えています…笑
🤔テスト撮影&準備
WBSに沿って、各パートの制作準備を進めていきました。
撮影のパーツ制作に必要な材料を買い出しに行ったり(初めての世界堂に大感動しました)、
トマトを扱うパートは、トマトを腐らせるか・潰すかで悩み、重田家でトマトを定点観測してみたり…潰し方の研究をしてみたり…
簡易的なテスト撮影を繰り返しながら、足りない材料を揃えていきました。
🔥ひたすら制作!制作!
構成が固まってきたので、本格的な制作に着手。
「デザインシップめっちゃつくるタイム」を終業後に毎日設け、ひたすらに撮影用のパーツをつくる日々。XDCメンバーのご協力もいただきました。
ここからは、パートごとの制作風景をお見せしたいと思います!
バナーのために三浦が作成したグラフィックが採用され、立体化することに。
積み木が集まってきて「CUEBiC」の文字をつくるパートなので、スタイロフォーム(発泡スチロール)を細かなパーツごとに切り出し、塗装していきます。
デザイナーに身近な文房具を組み合わせ、キュービックのミッションである「インサイトに挑み、ヒトにたしかな前進を」を形づくるパート。
やりたいことはシンプルなものの、何を使って表現するか?が悩みどころでした。
コマ撮りの手法上、手のサイズやカメラの高さを変えると違和感が出てしまいます。市販の文房具では大きすぎて画角に収まらないため、好きなサイズにできる紙粘土での制作を試してみました。
ただ、どうしても時間がかかることと、制作する人によって雰囲気が変わってしまうことが懸念でした。
そんなある日、篠原さんが「ミニチュア文房具」なるものを発見。これだー!とすぐさま全員で販売店にダッシュし、早速材料を購入。
会社に戻って組み合わせてみた瞬間、全員から自然と歓声が!
ラフでしか見られなかったものと現実で出会えた、本当に嬉しい瞬間でした。
何回かテスト撮影を重ね、トマトの表現には慣れてきました。
問題は新しく出る芽と実をどう表現するか。手触り感を表現するため、粘土を使ってつくることにしました。
まず、全員で粘土を捏ねてみてイメージを発散&収束させました。
その後、色付きの小麦粘土でパーツを一つ一つ制作。
このパーツは私がメインでつくっていたのですが、終業後ひたすら粘土を捏ねる姿から、新たに「粘土作家」という役職を授かりました。嬉しい。
🎥ついに撮影本番!
制作物が完成し、ついに撮影開始。
数日間に分けてパートごとに撮影を行いました。
コマ撮りは前の絵との接続が重要なだけでなく、一つ一つのシーンが「決め絵」であることが肝となります。一枚でも成立するような決め絵だけを連続させて映像にすることで、完成度高く想いの伝わるものになるためです。
そのため、和気あいあいとしながらも本番は全力集中!
「どう見せれば決め絵になるか?」「手触り感が伝わるものになるか?」を全員で妥協なく追求していきます。
自然光を使って照明なしで撮影したため、どんどん変わる日差しに対応しつつ、一枚一枚丁寧に撮影していきました。
💪届けるために磨き続ける
撮影後、篠原さんによる編集を経て、動画が一通り完成!
これでほぼ完成かと思いきや…上映会をした際、あるパートが他と比べて動きが硬いことに気づきました。
このままでも不自然ではないけれど、「ここまできて妥協したくない!最後までこだわり抜きたい!」という想いから、再撮影をすることに。
(篠原さん、本当に撮影&編集お疲れ様でした、ありがとうございました…)
また、今回の動画のBGMは、今回のキュービックの登壇者であるリードデザイナーの小野翔太郎さん(@shotaroototachi)にご協力いただきました。
音楽活動も行っている小野さんによる3パターンのBGMはどれもイメージにぴったりで、選ぶのがとても難しかったです。
XDCのメンバーや他部署の方々にもFBや感想をいただきながら、最後まで編集や微調整を行い…
ついに完成!🎉
制作の中で学んだこと
ここまでが、今回のPR動画制作の流れの振り返りとなります。
約2ヶ月間の道のりでしたが、その中で学んだことについて、私としげたなさんの目線からお話ししたいと思います!
🐶三浦の学び
・タスクの抜け漏れや変更をこまめに会話してすり合わせること
・最後まで妥協せず、あるべきを求めて納得いくまでやり切ること
細かなタスクや変更点が多かったのですが…最後まで3人の目線を合わせながらつくり切ることができたのは、毎日ちょっとした疑問や「これどうなってたっけ?」をそのままにせず、その場で会話して解消できていたからかなあと思います。三人の席が横並びだったことも大きいかも。
あとは、やっぱり最後の再撮影。スケジュールも工数もギリギリの中、「こうしたらもっと良くなる」と最後まで品質を求めたこと。結果とても理想に近づけたのではないかと思います(感謝…)
🎀しげたなの学び
キュービックを知らない方に向けてキュービックらしさを伝えるにはどのような表現や内容がいいのかたくさん考えました。
そこで、すでにあるコーポレートサイトやPR動画の表現から発展させて、これまでになかった表現で、多面的なキュービックを伝えるアウトプットにしたいという想いのもと制作してきました。
でもこれまでにない「らしさ」の表現に自信が持てなくて、発散もそこそこにすぐ決めにかかったりしていた思考のクセに気づいたのがちょうど制作序盤の頃で、ハッとしたのが印象的です。
以降、もっと肩の力を抜いて、普段自分が感じている「らしさ」を自由に表現したいと思いアイデアを広げていくことができました。
今回の制作では、つい頭だけで考えがちでやってみたら想像と違った...!!ということが多かったように思います。まずは形作ってみる瞬発力と色々試してみる行動力が、豊かな「らしさ」のアウトプットを生むことができた成功要因だったのかなと思います。
あとは、素材にも人に会社にも愛を持って接すること...!!
💭印象に残ったパートは?
たくさんの学びがあった今回の動画制作。
お互いにとって、特に思い出深いパートをランキングにしてみました!
最後に
今思うと、かなり濃くてあっという間の2ヶ月だったなあと思います。
スケジュールを引いていた当初は「少人数で期間内にやり切れるのか」「自分がメインで動いてちゃんと貢献できるのか」という不安もありました。
ただ、篠原さんをはじめ全員が「やってみたいね!」とこれからつくるものにワクワクしていたこと、常に明るい雰囲気を作ってくれていたことがとても大きく、「めっちゃ必死だけどめっちゃ楽しい!」と最後まで全力で走り切ることができました💪
また、夢中で手を動かしているうちに正解が見えてくる感覚がやっぱり好きだなあ、ものづくりが好きだなあと実感した時間でもありました。
まだ新人の立場でありながら、このような映像のデザインに関わらせてもらえたことをありがたく思っています。
30秒の中に2ヶ月の想いが詰まったこの映像やnoteを見て、少しでもキュービックやキュービックXDCの人たちに興味を持っていただけたらとても嬉しいです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
スペシャルサンクス
🎶 小野さん(素敵な音楽をありがとうございました!)
🎨 しげたなさん(記事内のグラフィックを制作いただきました!)
💡 XDCのメンバー(アイデア出し、制作のお手伝いやFBをいただきました)
💌 コーポレート・PR部門の方々をはじめ、キュービックのみなさま(諸々の申請や、FB、あたたかい声かけをありがとうございました!)