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その日までの準備

2ヵ月前、92歳の義母が緊急入院した。
入院中に余命を宣告された。


今、世の中はまたもや流行り病が蔓延しているとかで、入院中は面会もできない。

余命宣告された人が家族にも会えず、生きながらえるだけの治療と薬まみれになっていくという現実。

おかしくないか?
何かが間違ってはいないか?

家族は積極的な治療をせずに自宅で看取ることを選択した。


介護用のベッドをレンタルし、訪問看護、訪問診療の手続きをして義母を自宅に迎えた。

毎日の介護は同居の義理の姉が担い、私は2・3日おきに交代して義母のそばにいる。
夫は出勤前と後に様子を見に行っている。

ヘルパーさんが午前と午後の2回来てくれる。

ひどく弱っている日もあれば悪態をつくくらい調子のよい日もある。
それに振り回されている義姉は日に日に疲れがたまってきているように見られる。


家で看取るということは大変だ。
家族の負担がはんぱないのだ。

私は一応介護福祉士の資格を持ってはいるが、現場を離れて10年以上になるし、なにより義母は私に遠慮してか何もしてくれるなという。

その分義姉に「辛い」「死ねば良かった」などと暴言を吐いているという。

どうすることが義母にとって一番いいことなのか。
そんなことはわからない。

ただ痛みだけは取り除いてあげたいと思う。
孤独を感じることがないようにしてあげたいと思う。

自宅で看とるということは覚悟ができるということ。気持ちの準備ができるということ。

義母が旅立つその日まで、私は私のできることをしていこう。

小康状態の今の備忘録。

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蛍諸 ちは     keisyo tiha
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